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人が住む場所を抜けて
森を駆け抜けると見えてくる
高台にある屋敷



いつも施錠はされてなく
私は扉を勢いよく開いた




よろよろとした足取りで
寝室へ向かう




「あ、Aさん」


『弦月…くん…』


近くの椅子に腰掛けている弦月くんと
その隣のベッドで眠る晴



最後会った時より痩せた気がする



「晴くん何回電話しても出なくて
来てみたらリビングで倒れてるの見つけて
それに晴くんここ数日まともに
食事も睡眠もしてなかったみたいで…」


『……私の…せいだ
私が帰らなかったから…!』


弦月くんは首を横に振った



「晴くん意識のない中
Aに謝らなきゃって何回も言ってて
目が覚めたら話聞いてあげてください」


そうとだけ言い残して
あとは頼みました。と弦月くんは
帰って行った




_______
____________
_________________






数時間経っただろうか
晴がいつ起きも良いように
サンドイッチを作ってラップをかける



おかゆが良いと言われた時に
用意できるように
お米も炊いた



キッチンから寝室に戻ると
そこにはさっきまで寝ていたはずの
晴がベッドから起き上がっている




「え…A、?
ほんとに?ほんとにAなの」


フラフラした足取りで私の方に
来たかと思えば
勢いよく抱き締めてきて
そのまま後ろに倒れ込んだ



『は…晴…?』


「良かったッッ…
帰ってきてくれた…


ごめんっごめんほんとにごめん」





「ほんとは…Aが帰ってきたら
すぐに謝ろうと思ってた
でもA帰ってこないし
ほんとに何かあったんじゃないかって…
でも気不味くてAに電話出来なくて
長尾に電話かけたら
言ったらダメな事くらいわかるだろって
叱られて…僕…

Aの帰る場所になるって言ったのに」



こんな甲斐田を許して…と
私の肩に顔を埋めて泣いてる




『晴…』



悲しかったよ
苦しかった



でも



『私も、ムキになってごめんね
意地張ってないで
早く帰ってくるべきだった
1人にしてごめん』


首をブンブンと振って
抱きしめる力を強められる





『好きだよ、晴』


「甲斐田も…
僕もAの事好き、愛してる」





だからこれからも一緒にいよう?




小一時間は離れてくれなかった

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作者名:桜和 | 作成日時:2022年11月26日 3時

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