片翼の天使 Ⅱ (ページ46)

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竜胆の足の間に座って彼にもたれながら
さっき見かけた店で
買って貰ったいちご飴を頬張ってると
鶴蝶から電話が掛かってきたと
蘭が席を外したまま戻ってこない

A｢遅いねー、何話してんだろ｣

竜胆｢さぁな、
てか甘いもん食ってんなぁ…それ美味いの？｣

食べる？と振り返れば竜胆と目が合った。
思ってたより距離が近くて
恥ずかしくなった私は顔を逸らす。

A｢ご、ごめん！｣

自分でもわかるくらい熱くなる顔、
きっと耳まで真っ赤だ…
竜胆絶対気づいてるよね、もうヤダ恥ずかしい…

今更隠したって遅いけど
出来るだけ見せないようにと縮こまる私を見て
｢ふっ…なにしてんの｣と彼が笑った

後ろからふと伸びた片手が私の頬に触れて
そのままゆっくり引き寄せた

A｢んぅっ…｣

啄むようなキスは角度を変えて
次第に深くなっていく。

竜胆｢A、口開けて｣

言われた通りに
小さく口を開ければヌルッと舌が入り込む。

大人のキス……
それはなんだか甘い味がした。

そして何も考えられなくなるくらいに
私の脳を溶かす。

ボーッとする頭の中で
竜胆の動きに合わせて舌を絡めれば
時折、どちらかの吐息が漏れた。

竜胆｢ﾊｧ……あっま…｣

何分経ったか分かんないくらい
夢中になって、やっと離れた唇

その途端に寂しくなって
ギュッと竜胆の服を握りしめた。

竜胆｢なに？足んないの？｣

A｢ん、もっと…｣

竜胆｢はいはい、
俺の彼女は甘え上手だな｣

A｢嫌？｣

首を傾げて見つめれば
チュッと軽く唇が触れた

竜胆｢可愛すぎて俺がもたねぇわ｣

その後は2人で色んな話をした。

ずっと会えてなかった幼馴染と再会した事。
蘭が一緒に寝てくれた事。
不意に蘭の口から竜胆の名前が出る事。
途中から蘭の話ばかりになってたけど
｢そっか。｣と優しく微笑んで聞いてくれた。

｢竜胆がいないと寂しいよ……｣と言えば、
ギュッと抱きしめてくれた。

病室に戻ってきた本人は
入るなり、私の荷物を持って手を差し伸べる

蘭｢A、出掛けんぞ。｣

A｢え"っ！！さっき来たばっか！！｣

イヤイヤと首を振り、竜胆に抱きつく。
そんな抵抗も虚しく呆気なく引き離され
手をひかれて病室を後にする。

じゃあまたな、と笑って手を振る竜胆が
どんどん遠くなって行った。