片翼の天使 Ⅱ (ページ30)

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ここ最近、2人の様子がおかしい

蘭は頻繁に出歩くことが増えた。

帰ってくる頃はいつも決まって遅い時間、
身体中に傷をつけて、服には血をつけて…

どうしたの？と聞いても何も教えてくれない。
別に、って笑って誤魔化す。

何度も家から出ようと試みた。
でも、いつも竜胆に捕まるの

そんなこんなでもう1週間、
まともに外の空気を吸えていない。
ついに我慢の限界が来ていた。

『どうした？Aから連絡くれるの珍しいな』

A｢鶴蝶、聞いてよー
蘭と竜胆が変なの｣

鶴蝶『変って…なにが？』

A｢家の外に出してくれないの…
蘭ってば毎日服に血ぃつけて帰ってくるし
竜胆は元気ないし…
鶴蝶はなんか知らない？同じチームなんでしょ？｣

鶴蝶『そう言ってもなぁ…
あいつらには黙っとけって言わ…あ、』

ほら、ボロが出た。
ウチの幼馴染は少し抜けた所がある。

A｢鶴蝶、
言ってくんないと私鶴蝶の事嫌いになる｣

子供じみた脅し。
その言葉を聞いた鶴蝶は電話越しでも分かるくらい焦ってた。

やり方はズルいって分かってても
2人が私の為に動いてるなら
尚更私は、2人を止めないといけない。

もう…何も出来ないまま、守られるだけはごめんだ。

鶴蝶『実は＿＿』

電話を切った後バタバタと廊下を走りまわって竜胆を探した。

でも、どこを探しても竜胆はいなくて…
靴も、かけてあったはずの特攻服も、バイクも無かった。

A｢蘭……竜胆……｣

電話をかけても繋がらない…
いつもなら3コールもすれば出てくれるのに…
その瞬間、一気に不安が募る

" オマエの事を探してる奴らがいる。"

" 誰が…"

" 多分、イザナに恨みを持った奴だ。
そいつらがオマエを狙ってる "

ニィに、恨みを持ってる…
思い当たる節がいくつかある。

" A…？ "

" 鶴蝶、私行かないと…"

" A！待っ…"

鶴蝶が何か言っていたけど
いてもたってもいられなくなって
携帯を持たずに家を飛び出した。

無我夢中で市内を走りまわり、2人を探した。

A｢どこにいるの…｣

一通り探し回ったけど2人はどこにもいなくて、
家に帰ってるかもしれないからと、来た道を戻った

嫌な予感がするの…

お願い…無事でいて