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イザナside





出会ったのはガキの頃


退屈な毎日に飽きていた時





" 今日からここがあなたのお家よ。ほら、みんなに挨拶して "





お前に出会った





幼くして両親を無くし、
身寄りがいなかったから施設に預けられたと


施設長がわざわざ俺にだけ話したのは
きっと俺と同じだったから




同情した訳じゃない
ただ、こいつがあの時の鶴蝶と同じ眼をしてたから




気にかけていた理由はそれだけだったのに







" 別に……どうでもいい "







口癖のようにそう言って
誰もいない場所で息を殺して泣いていたお前に



気づいたら手を差し伸べていた




柄にもなく放った俺の言葉に
涙をいっぱい溜めて、お前は笑ったんだ。





1日中、片時も離れることは無かった。
寝ても覚めても俺の傍にはお前がいて、
俺の手を握る小さな手




" イザナ! "



俺の名前を呼んで嬉しそうに微笑む
その笑顔に救われてた




こんな俺が誰かに必要とされるなんて
夢にも思わなかったから、嬉しかったんだ




お前が俺を必要とするなら
いつか俺の手を離す時が来るまで
全てを賭けてでもお前を守るから





他の誰でもなくお前にだけ抱く特別な感情
それに気づいたのは、お前を失ってからだった



もう一度お前に会えたらって毎晩思ってた。
あいつを簡単に裏切っておいてよく言うよな


俺を恨んでるに違いない
嫌われて当然の事をした



なのにあいつは昔と変わらない表情で俺を見つめる。
泣きそうな目で、震えた声で、俺の名前を呼ぶ
何度も、何度も……





" 帰ろう? "




そう言われた気がした




馬鹿だろ……お前の知ってる黒川イザナはもういねぇのに
いつだってお前は、俺を信じて疑わない




本当はあんな事言いたかったわけじゃない
お前をこれ以上傷つけたくねぇのに、必死だったんだ



お前が俺のいない世界でもいい..
他の誰よりも幸せに生きてりゃそれだけで充分だった



だから忘れようとしたのに
俺の中から消えてくれねぇ









ずっと好きだった。












こんな俺に、どうしようもない俺に
愛をくれたお前が、ずっと……








いまも俺の隣で眠り続けるお前に
精一杯の愛を囁いた

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(プロフ) - 和凛さん» ありがとうございます!頑張ります! (2022年10月3日 22時) (レス) id: 6789a4b1bf (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 朝はパンよりご飯派さん» ありがとうございます! (2022年10月3日 22時) (レス) id: 6789a4b1bf (このIDを非表示/違反報告)
和凛 - 初めまして!続き頑張ってください。 (2022年8月30日 23時) (レス) @page9 id: aabcab5ba8 (このIDを非表示/違反報告)
朝はパンよりご飯派 - がんばれ!٩( 'ω' )و (2022年8月25日 23時) (レス) @page9 id: 913863b25c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 華さん» 華さん!こちらこそコメントありがとうございます(๑♡ᴗ♡๑) (2022年6月22日 22時) (レス) id: 6789a4b1bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年5月22日 17時

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