崩れていく愛のカタチ【黒川イザナ】

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脳裏に過ぎる言葉が
呪いみたいに何度も何度も繰り返される




その度、息をするのを忘れてしまうほど
苦しくなって涙が止まらなくなるの




いつもと変わらない日常が
あの日を境に崩れていくようだった




今まで私のしてきたことってなんだったんだろうって
考えるほど自分が惨めに思えて
落ち着かせるように必死に抑えても無理だった









" A！何やってんだよ！！ "






" 離してよ！！こんなのもういらない！！
全部いらない！！！もう……見たくない…… "






自暴自棄になって





" 蘭ちゃんも竜ちゃんも
いつか要らなくなって私を捨てるに決まってる！！"






不意に思ってもないことを言った私の言葉に
傷ついた2人の顔が……離れない







あれから数日、
何も無かったように接してくれる2人に嫌気がさして避けた





違う、逃げたんだ
自分が生んだ罪悪感から






謝ろうとしたんだ、でも……出来なかった







傷つけたのは自分なのに、
これ以上、自分が傷つく事を恐れたから









時刻は22:00
蘭ちゃんと竜ちゃんは出掛けたまま帰ってこない







どこかで喧嘩でもしてるのかな
気の短い2人のことだから、きっとそうだろうな






そうじゃなかったら
もう私の事嫌いになったのかな







誰もいない部屋に1人、ソファーに座って目を瞑った






静まり返るリビングに響く秒針の音





いつもは気にしない雑音なのに、それすら鬱陶しく感じた
気を紛らわす為に面白くもない番組をただ呆然と見つめてた






寝ても覚めても
悪夢を見ているような不思議な感覚






頭を殴られたような痛みが間隔をあけて襲ってくる







気つけば家を飛び出して、2人を探してた







特別な日でもないのに
竜ちゃんが買ってくれたお気に入りの真っ白なスニーカー



履き慣れていないせいか踵が擦れて痛い






焦ってるんだと思う
2人が私の前から居なくなること






置いていかれるのはもう平気だって思ってた
慣れてしまえば何ともない



母さんも父さんも、鶴ちゃんも……イザナも
私を置いていってしまったから







だけど、2人だけは失いたくない





1人になりたくない
もう、あんな思いしたくない







A「置いて……いかないで｣







私を1人にしないで

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