崩れていく愛のカタチ【黒川イザナ】

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紙を引き裂く音が静かな部屋に響く





それは私にとって唯一の繋がりだった
彼との思い出を全て捨ててしまう音




この薄い紙切れも所詮過去の思い出




イザナはこの時から私のことを






A｢ふっ……ははっ｣






想っていたのは私だけで
彼等はなんとも思っていなかった





馬鹿だな……過去に縋ったって
今私にあるものは何も無いのに






" やるよ "





初めて彼から貰ったぬいぐるみも





" 似合ってんじゃん、可愛いんじゃねーの "





少し照れくさそうに
可愛いと褒められた髪飾りも






彼から贈られた物でさえ今じゃ鬱陶しく感じる







A｢全部無くなっちゃえばいいのに…｣






全て忘れて生きていけたらどれほど楽だろう






視線の先にあったのは
彼とお揃いで買ったスノードーム





雪の降った日、彼と交した約束を
大人になっても忘れないようにってお互い買いあって交換した





手にすると、揺れた振動でドームの雪が降った







" ずっと一緒にいるから "






そうだ……イザナが言ったんだよ…






なのに……なんで！！！









思い切り投げつけたスノードームは
大きな音を立てて割れた









壊れてしまった私のココロ







崩れていったのは、あなたを想う愛のカタチ













鶴蝶｢あー！これ懐かしいなぁ
名前なんだったっけ……スノードーム？｣



イザナ｢うるせぇ、勝手に触んな｣



鶴蝶「悪い悪い、大事にしてるんだな」





" ずっと一緒にいるから "






あの日、自分でも分かんねぇけど
気がついたらそう言ってた





" 本当？じゃあ約束ね！ "





嬉しそうに笑うあいつを見て
こいつは俺が守ってやらねぇとって






" なんで私を捨てたの…… "




" 初めから孤独なら耐えられたのに "





あの時、あいつの放った言葉に






" なんで俺の前に現れた？初めっから孤独なら耐えられた
オマエにわかるか？真一郎 "






思い出したくもねぇ、昔の俺を見た

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