泡恋【松野千冬】

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立ち止まったまま何も言わない彼に
途端に寂しくなって抱きついた








A「幸せにしてくれるって…約束した」








そっと離れて彼を見つめれば
どこか、苦しそうな顔をしていた……






そうだよね…






だって、私の方が先に泣いちゃうんだもん








A「このまま終わりたくないよ…」








私達はまだ始まったばかり
楽しい事も嬉しい事もこれからあるの






隣町に新しくできたお洒落なパンケーキ屋さん、
一緒に食べに行くって約束した




海も、綺麗な夜景が見える少し遠い展望台も
一緒に行こうって、見に行こうって約束した。









青宗「俺も」





あなたは私の泣き顔に
苦しそうに眉を下げて、少し微笑んだ





触っていい？
弱々しく聞く青宗君が可愛く見えた







返事をする間もなく抱き寄せられて
大好きな彼の腕の中へ







青宗「不安にさせてごめん。
もうしねぇって約束する。」








A「私も……
大嫌いって言ってごめんなさい」







ぎゅうっと抱きしめる腕に力が入って
苦しいけど嬉しくて
彼の背中に腕をまわして抱きしめた










青宗「あと、さっきの言葉撤回させて」






A「さっき……？」









" Aを泣かせてまで手にしたい幸せじゃない "








青宗「悪ぃ……Aだけは離せねぇわ…」












その日の夜は2人ですごした。







初めての経験も全部、青宗君に捧げた
手を繋ぐのも、キスも、その先も……青宗君だけに





初めては痛いって誰かが言っていた。
だけどその痛みが何より幸せだった



















" 好きな人ができるとね、
こう、世界がキラキラして見えるの！ "







" 恋なんてそんなもんよー？
その人の事を考えるだけで胸が苦しくなったり、
他の女の人と一緒にいるだけで、もぉ！って怒っちゃったり…
でも、そーゆうのも全部、その人だから感じるの"






" 母さんは？父さんにもそうだったの？ "






" そうねぇ、父さんモテモテだったからなぁ
母さんずーっと拗ねてた！
ふふっ、父さんには内緒よ？ "










母さん……







私の嫉妬メーターは母さんに似て
かなり揺れやすいようです……








青宗｢A｣




A｢なぁに？｣







" あなたの事が大好きなのね "







青宗｢好き｣

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