・ ページ17
土砂降りの雨の中、
無我夢中で走って辿り着いたのは
青宗｢ドラケン、先あがるわ。お疲れ｣
君のもと。
店から出てきた青宗君とふと目が合えば
私を見て駆け寄ってきた。
青宗｢A！？｣
青宗君を見つけた日も
私を見つけてくれた日も雨の日だったな…
千冬の事を考える度に
ふと溢れそうになる想いを押し殺した。
何度も考えた。
好きだと伝えたら、どれほど楽なんだろう
だけど…
脆く、臆病な私はその言葉を君に伝えられない
愛してる。
そう言えば君はどんな顔をするのかな…
けど、言ってしまえば終わる気がするから…
君を想う度に溢れる想いは
まるで泡のように…弾けてなくなった。
激しく降る雨が周りの音を掻き消した。
A｢青宗…君…｣
青宗｢どうしたんだよ、
泣いてんの？｣
嘘……涙なんてとっくに流れたはずなのに…
屋根がある所へと手を引かれたのは薄暗い路地裏。
ここなら見えねぇから、と優しく微笑む彼に
ギューッと抱きつけば
心配そうに私の名前を呼んで頭を撫でてくれる
青宗｢どうした？｣
A｢助け…て……｣
苦しいの。
千冬を想えば想うほど、苦しくて息が出来なくなるの
もう、嫌。
ヒナに心配ばっかりかけさせて
武道に八つ当たりして、
周りを巻き込んでしまう自分が。
泣き喚く私を、ただ強く抱きしめて
大丈夫。と落ち着かせるように
何度も背中を優しく叩く。
いつもそうしてくれたのは千冬だった。
私の側にいて、俺がいるから大丈夫だと
優しく笑って側にいてくれる。
こんな時でも思い出すのは…君なんだよ…
でももう……疲れたの。
叶わない恋を、
振り向いてくれない君の背中を
追いかけ続けるのも
もう、うんざりなの、、
君を好きになればなるほど
私は私を嫌いになる
もう、忘れたい。
" なら俺が忘れさせてやるよ "
" 松野の事考える暇もねぇぐらい愛してやるよ"
分かってる…
その選択は、青宗君を傷つけてしまうって…
だけど、まだ…
こんな私でもいいと、受け入れてくれるのなら
この手を掴みたい…
青宗｢バイク取ってくるから
ここで待ってて。｣
ポンっと頭を撫でて
どこかへ行く後ろ姿をただ呆然と眺めてると
視界が歪んで……倒れた
青宗｢A！！！！｣
意識を失う直前、聞こえたのは
私の名前を呼ぶ青宗君の声。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 313人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪(プロフ) - 睦月さん» 睦月さん！初めまして！そう言って頂けて嬉しいです☺︎ありがとうございます！！ (2022年7月1日 8時) (
レス) id: 6789a4b1bf (このIDを非表示/違反報告)
睦月 - 初めまして！小説拝見させて頂きました。続きがとても気になります！更新楽しみにしてますね！ (2022年6月24日 15時) (レス) id: 3944e3eebe (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - るにゃネコさん» 千冬がどう思うか…ですね！コメントありがとうございます！頑張ります！！ (2022年4月30日 22時) (レス) id: 6789a4b1bf (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - インコさん» やったーー！！そう言って頂けるととても励みになります！ありがとうございます！！ (2022年4月30日 22時) (レス) id: 6789a4b1bf (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - ネコさん» 自分には心を許してくれてるって嬉しくなりますよね(*´˘`*)♥ (2022年4月30日 22時) (レス) id: 6789a4b1bf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪 | 作成日時：2022年1月28日 23時
