ハリーポッター ◆ ～憐憫のサターン～ (ページ31)

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嘆きのマートルは泣きながらトイレに戻る。排水溝を渡り、水の如くするすると液体のように排水溝の管に吸い込まれていく。
嘆きのマートルは、「また、ねぇ〜」と呑気に生返事。
確証(かくしょう)もない、基盤もない、地盤もない。だからこそ未知への恐怖心。
今晩の【精神的干渉】は、自分の恐怖心と戦う最中、洒落のような匂い。
血は繋がっているけれど人はこういう風に生きるべきと、家族から理解されない。理解されない、されるような存在じゃないと言われ、迫害を受けた【魔法使い・魔女】が、
ハリーとべるだ。
もっと別のベクトルで諭すと【レベッカ】も同じく、家出中。最終は家に帰らない。家を燃やすという勢いがあり、
自分の誇りを傷つけた存在だらけが多い家なんて、だれも帰りたくない。
ホグワーツが、リベラルでありがたいと思う反面、自分のいろんな混雑している最中、差別意識がある。
【精神的干渉】を受け、取り留めなく、ダイレクトに命中。べるの身体は精神的にダメージを受けた。

べるは、シャワーの個室のカーテンを、しゃん、と蛇腹状のカーテンを開ける。
開けると、相変わらず真っ黒なホグワーツの廊下である。

これほどの真っ黒なマットで憂鬱な空気感が漂う夜の廊下。
嘆きのマートルが如何に騒がしく小癪(こしゃく)な小娘である。
小癪(こしゃく)で騒がしく、ほだされるような気配もある。小癪的な幽霊の正体見たり枯れ尾花。
べるは自分の身体に巻きつく、蛇のような感覚に襲われ、
背中に怖気が走る。水の中、水面の下に落とされ、溺れかけている感覚が襲う。
小癪(こしゃく)な幽霊・嘆きのマートルは、べるに自分の土台をしっかりと決めなさいーーーー、と断言。
山水画のような水に濡れた感覚。冷水を浴び、罵声のような叫び声が耳鳴りで聞こえる。感覚は水中。

ーーー感覚は水中。

ーーー溺れかけている。

ーーー水面下に閉じ込められた。

頭の中、脳内の中。
脳内の中に濃縮された縮小のような記憶がばぁーーと、流れ込んで来る。
頭の中が破裂する感覚と耳鳴り、どんどん酷くなる。酷くなる最中、息を殺し、一息一息を確実に吸う。吸う最中、
【脳震盪】を起こすような衝撃の波が来る。

『うわわわぁ、うわわ、がはっ！！ぐぇっつっ！！
頭が痛い！！熱い！脳が動く、気持ち悪い』

ゆらゆらの視界と濁る眼球。
脳震盪のような衝撃的な波がどんどん来る。
融和(ゆうわ)的で飽和で無機質な身体。皮が剥がれ、醜い痩躯(そうく)を誰にも見られたくない。