ハリーポッター ◆ ～憐憫のサターン～ (ページ20)

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侵襲的な記憶。

ヴォルデモートの象徴が、あの記憶である意味【恐怖】。
【童話のジャックと豆の木】のようなストーリー性だ。

べるが主人公の小人で、記憶が豆の木。豆の木が、枝分かれのように、木の実を映像のレコードのように捉えられる。
夢の中、記憶の中の屋敷の【壁】は、チョコレートのように、だらーーりと、茶色のような黒いような色合いの液体が、びちゃりと、垂れて行っていた。

その後、廃墟化して行く姿を、べるは、どこか傲然(こうぜん)とした顔で見る。

侵襲的な記憶で、かなり痛みを伴う。この痛みは精神を病むだろう。
まるで、アルコールの量が多い、糖質も多く、ぼんやりする雰囲気があるのに、どこか目に見えない壁をはる部分も、その映像、記憶が今の【べる】だ。

どこか皮がひとむけた。皮が剥けたとて、彼女は彼女だ。
どこも変わらないーーーー。と彼女も望む。

その心境に、ジョーンも気がつく、するとーーーーー。

ジョーン「大丈夫さ、君は君だ。
ヴォルデモートにおかされても自分を保ち続けた。
それが君は君の証拠だ」

【君は君の証拠だ】ーーーー。この言葉の意味を知るのは、少し先のお話。【曲がり角】に出くわすまで。

シャド「まずはマダム・ポンフリーに。
その後はダンブルドア校長に相談だ」

シャドは、少し考え込んでいるべるを見下ろす。どこか、
虚(うつろ)な目。ただ知られることを恐れている節も。

ジョーン「ーーー、べる。
ダンブルドアはすべて知っていると思うよ」

　

フレッド「嗚呼、あの人の未来を見る眼はたしかさぁ」

双子のいつも、おちゃらけコントが繰り広げられる。

『・・・・・っ、分かった』

『行こう、マダムポンフリーのところへ』

ジョーンに横抱きをされ、お姫様抱っこをされる。べるは、ジョーンの爽やかな香水の香りに魅力される。ダーティな部分もあり、爽やかな香水でコーティングされている。
以前、ジョーンにマスリンたっぷりのドレスを着たまま、
お姫様抱っこをされた記憶を思い出す。
以前のような嬉しさ、温かみ、詩人的な雰囲気、牧歌(ぼっか)的な心境もない。
ただ、冷えた身体を温めてもらう事が、何よりの幸せ。生きている証拠ーーー。【生きている証拠】を探すなんて。

【死】という境地に立たされた人間のその先はーーー。