ハリーポッター ◆ ～憐憫のサターン～ (ページ14)

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〜ホグワーツ・木造の橋〜

時間帯は、すでに夜。
クリスマス代休の為、ホグワーツにさほど人気がない。
人気がないのが運の尽きなのかもしれない状況を、べるとハリーは、満喫している最中。
急な気持ち悪さ、酔い、に意識が朦朧としている。途中で意識が切れたようだ。
べるは、【醒めた】時から、どこか以前の自分ではない。
新しい何者の自分に変貌を遂げている自分に、ある種の畏怖(いふ)を感じる。

【人と羊の区別】が出来ない人間になったらどうしようと。
あの【光景】が記憶の中で思い出してしまう。思い出す度に、酷い吐き気に襲われる。吐き気を抑えるために、壁の角で、しゃがんでいる。

べるが、壁の角で埋まっている。ハリーは、意識が朦朧としながら、壁に背中を預けて、息を吸いながら呼吸を整えている状態。そんな状態を、嫌な予感かすると思い、影から様子を見守っていた1人の青年が2人の異常の光景を見て。

「大丈夫か！！おい、べる、そしてそこ少年！！」

ーーー

この声は誰？

ーーーおい！！大丈夫か！！

ーーーおい

『はぁ、はぁ、はぁ、はぁ』

異常じゃない量の大量の汗。
汗ばんだ顔。痩せこけている。どんな事をしたら、数ヶ月でここまで痩せこけれる。以上じゃない痩せ方だ。

すると、べるは【醒めた】。どこか【夢】の中の居心地。
何処かの【世界】に行き来出来るような感覚を肌で感じる。
ーーーーー大丈夫か、と声を上げた人物の声が聞こえる。
しかし、どこか【冷めた】自分が、どこかにいる。

『ーーーーっ、』

べるは、完全に【醒めた】
すると、シャドは、べるの背中を支え、背中を摩り、楽な体制にする。
シャドは、事前にローブのポケットに、ビニール袋を入れている。
この頃のべるの様子を、影で見守っていた様子だ。あまり、養子組の「余所者」が家庭の血筋的な力問題に、手を加えるのは良くない。養子組で、良心的なべるの両親は、
行き場のない孤児院育ちの自分を受け持ってくれた。

シャドからしたらべるは、【ご本家】様のお嬢様。自分よりも身分が上な人間。
シャドは、魔法族の子供だけれども、ある種のスケープゴートにされてしまった。
時代の荒波に巻き込まれたマリー・アワタネットのような存在。
そしてシャドは、自分とは正反対なべるを、見守っている。
自分が養子組だからこそ、ある種の感謝みたいな気持ち。

「大丈夫か？気持ち悪さ治ったか？」

ハイスキーな低音ボイスで、心配する声をあげた。