悪役令嬢は考える 1 ページ18
アメリアside
私は猛烈に考えていた。
何をかって?シナリオ通りに行かない原因を、だ。
授業の内容なんて真面目に聞いていられない。前世では凡人だった私だが、乙女ゲームはストーリーを何度も繰り返したので、きっと勉強しなくても点は取れるはずだ。
「ショッピィー!チーノォ!」
うるっさぁ!?ペイント以上にうるさい。
流石、コネシマ……この人はほんっとに
syp「はぁ……なんです?」
今日の授業が全て終わった。教室は思考するには向いていないと思い、立ち上がった。教室の扉の前でショッピとチーノを呼んでいるコネシマの横を通る。
kn「ほーん?」
『……?』
品定めのように見られ、少し不気味な視線に寒気がした。
どこに行こうかと考えた末、図書館が一番静かに考えられる、そう思い教室から図書館への最速ルートの道を進んだ。
廊下を歩いている途中、張り出されている紙があった。それは昨日やった実力テストの結果で、私の名前がでかでかと書かれていた。
その結果を見ている薄茶色の髪をした男子生徒。特に気をとめずに、私はその横を通った。
「やはり凄いですねぇー、へクセ公爵令嬢は……」
独り言なのか、私に聞かせたいのか。私だということに気づいているのか、いないのか。
私は後ろを振り返る。
「魔法学園の歴史からしても稀に見る好成績ですね」
ッ……エーミール……攻略対象者にしては影が薄くて気づかなかった。
『でしょう……?ですが私、貴方とのんびり話すほど暇じゃないのですよ』
em「……それは失礼。手間をかけて申し訳ありません」
『……』
そのままエーミールを残して図書館へ、歩幅を大きくして歩いた。
あの皮肉な感じ、
ようやく図書館についた。
ガラガラ
『……!』
図書館の扉を開いた瞬間、私にはとある景色が蘇った。初めて兄に会った"あの日"のことを。
最初来た時にはイベントに夢中で気が付かなかったけど、あの図書館と魔法学園の図書館は似ている。
あれ??
グルッペン、トントン、ショッピ、チーノ、ゾム、シャオロン、ロボロ、コネシマ、エーミール…… 攻略対象者、ほぼ全員と会ってるじゃん!というか会ってないのウツって攻略対象者、一人だけなんだけど!?
私は気づいてしまった。
シナリオでは合わないはずの攻略対象者達と接触していることに。
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地獄の番人 - 面白れぇじゃん・・・・すみません。とても面白かったです。 (2023年1月23日 20時) (レス) @page22 id: 7578fd3293 (このIDを非表示/違反報告)
漆紫-urushi-(プロフ) - 好きです!(突然の告白) 応援してます! お気に入り失礼します((꜆ ˙꒳˙)꜆ポチ (2023年1月22日 16時) (レス) @page22 id: 6098977d7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:二 | 作成日時:2023年1月15日 19時