少し変わった恋の話

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｢だってそれ、俺が設定したやつだもん｣









予想もしていなかった言葉に耳を疑って何回も聞くけれど、返ってくる言葉は同じ。最悪だ、昨日入れた紙を見られたってことになる。









｢え、お前、どうやって願い叶えてんの？｣





｢純粋かよ、叶うわけねぇじゃん｣









何当たり前のこと言わせてんだよ、と言いたそうな顔をされる。









｢噂って空回りするだろ？｣









永田の話を俺なりに解釈すると、叶ったらしいという噂を流して流しまくって箱の中に入った願い事を見て楽しんでいるらしい。









｢おまっ、相変わらずゲスい性格してんな｣






｢まぁな、よく言われる｣





｢褒めてねぇし｣









昨日の自分を殴り飛ばしたい。なんであんなこと書いちゃったんだろう、なんで少しでも信じたんだろう。一生ネタにされる。









｢あの、永田さん｣





｢さん付けとか悪寒がするからやめろ｣





｢昨日、何か入ってた？｣





｢ほぉ？何か入れたのか｣






｢じゃあ、何も無かったんだな｣









何か入れたのか、と言われた時点で俺が知りたかったことはすぐに分かった。何か、と言っている時点で永田は知らない。









｢ちぇ、ビンゴ｣





｢やりぃ｣





｢でもお前入れたんだろ？｣





｢…や、ちが、別の奴が入れてて｣





｢ふーん、ま、そういうことにしてやるよ｣









じゃあ、誰かがとったのだろうか。他の誰かが、一瞬で？疑問が広がるばかりだった。と言うか俺の貧相な頭では思考回路が良くなっていない。












｢あっ｣




｢あ？｣




｢否定する時、やって最初にやる奴童貞だって｣





｢死ね｣









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