【続編】幼なじみに失恋しました【神威】

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【A】




神威くんは使用していない教室に入った。
ここは視聴覚室で普段もあまり使わない教室。
私も久しぶりに入ったため新鮮に感じた。




神威「さっきのプラネタリウム綺麗だったね」




神威くんは机に腰掛けて座った。
開いた窓からそよ風が吹き、神威くんの長く美しい髪を揺らした。




A「神威くんも綺麗なんて思うことあるんだ」




どうしてこうひねくれた答え方しか出来ないんだろう。
少し反省していると神威くんは笑った。




神威「良かった。俺も案外腐った心してなかったみたいだね」




A「………あんたって結構真面目じゃん」




神威「そう？なんかAって俺が初めて言われるようなことしか言わないなー」




神威くんはそう言うと机から立った。
そのまま私の正面に来て止まる。


なんだか、こうしてちゃんと向き合うのは初めてかもしれない。
ワイシャツから見える首や腕はがっちりとした筋肉質で改めて神威くんが立派な男の子であることを実感した。




A「神威くん、あのさ…」




神威「うん、なに？」




"あんたがすき"


そう言ったらこの関係はどうなるのかな。
神威くんにとっては信じられないよね。


数ヶ月前までは総ちゃんのこと好きだって散々喚いて、神威くんにたくさん愚痴ったり相談していたのに。


今になって神威くんがすきだって言ったら、流されやすい女だと思われるのかな。
それとも、友達以上に思えないよって言われるのかな。




A「私さ…」




神威「うん」




A「あんたに出会えて良かった」




すきの代わりにはこれしか言えない。
最初は神威くんとの出会いにうんざりしていた。
でも今は違う。


あの時私が失恋して公園で泣いていなければ神威くんとは出会えなかった。
そして、総ちゃんを忘れることも出来なかった。


本当の自分をさらけ出すことが出来たのも神威くんのおかげ。
神威くんとの出会いは私の人生を変えてくれた。

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