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【A】
校門を出たのは20時近くだった。
準備もいよいよ追い込んできて気づけば辺りは真っ暗になっていた。
暗い夜道は少し不気味で静寂だった。
するとその時電話が鳴る。
相手は神威くんだ。
A「もしもしー」
神威『あ、Aお疲れ〜。今家にいる?』
A「ううん。今ちょうど学校出たところ」
神威『んじゃ迎えにいくよ。すぐだから待ってて』
神威くんは先週から私を家まで送ってくれる。
学園祭の準備で遅くなるから良いと断ったものの、神威くんは一歩も引かなくて最終的には私が折れる形で了承した。
しばらく街灯の下でスマホをいじっていると足音が近づいてきた。
顔を上げるとにっこりと笑う神威くんがいた。
神威「お待たせ〜。じゃあ帰ろっか」
A「ありがとう。さっきはどこにいたの?」
神威「んー、よく知らない倉庫みたいな場所」
なんだそれは。
まあ神威くんたちのことだし訳の分からん集会でも開いてたんだろう。
私たちは肩を並べて歩き出した。
他愛もない話をしていると神威くんは思い出したように言った。
神威「あっ、そうだそうだ忘れてた」
A「え、なにを?」
神威「手」
神威くんはそう言って私の手を握った。
なんだこれ。
私が神威くんの顔を凝視すると神威くんは笑う。
神威「夜って心細いからこうしてた方が良いでしょ?^^」
A「神威くんって意外と寂しがり屋だよね」
神威「Aの手あったかーい」
神威くんの手は少し冷えていた。
今日は少し肌寒いから仕方ないかな。
そして今さら気づいたけど、何だかこのシチュエーションは恋人同士みたい。
A「……神威くんってさ、あざといよね」
神威「どういうこと?」
A「いや、いきなり手繋ぐとか勘違いする子多いと思う。でもなんか手慣れてるなー」
神威「えー、俺付き合っても手繋がない主義だよ。Aは特別だもん^^」
思考が一瞬止まった。
え、付き合っても繋がないってあんたどんだけドライな男やねん。
それに私が特別って…
A「本当に女友達少ないんだね」
神威「わー、また伝わってなーい」
A「なにが」
神威「秘密」
神威くんは繋いだ手をぶんぶん振った。
急なヤンチャ要素は隣で見てて可愛い。
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瑠々亜(プロフ) - literarymastertさん» コメントありがとうございます。更新頻度が遅れてしまって申し訳ないです(><)素敵なカップルを書けるよう頑張ります! (2018年10月1日 23時) (レス) id: 95173b8ff8 (このIDを非表示/違反報告)
literarymastert(プロフ) - こういうカップル好きです!笑ニヤニヤしながら見てます!!更新頑張ってください!笑 (2018年10月1日 23時) (レス) id: 2fed73faab (このIDを非表示/違反報告)
瑠々亜(プロフ) - 蛍さん» コメントありがとうございます。ここ数日忙しくて更新めっちゃ遅れてますが、皆さんの温かいコメントを頼りに更新頑張ります! (2018年9月29日 14時) (レス) id: 95173b8ff8 (このIDを非表示/違反報告)
蛍 - 神威くんと夢主ちゃんが可愛いすぎて辛いです!!更新大変だと思いますが頑張ってください!これからも応援してます^^ (2018年9月26日 20時) (レス) id: e7281059f9 (このIDを非表示/違反報告)
瑠々亜(プロフ) - ティアーさん» コメントありがとうございます。もう高評価して頂けただけでも大満足です(T_T)ご期待に添えるような作品になるよう更新頑張ります! (2018年9月25日 13時) (レス) id: 95173b8ff8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠々亜 | 作成日時:2018年9月12日 20時