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灰崎視点

あの後、俺たちは逃げ回って屋上に辿り着いた

基本的に立ち入り禁止だし、多少見つからないだろ

………何も考えずに走ったけど、そういやA、腰痛いっつってたな…

…やべー、怒られるかも、と隣を恐る恐る見ると、Aは別に怒ってはいなかった

いや、怒ってるけど、俺に対しての怒りじゃない

むすっ、と膨れているAの頬を人差し指でつついてみる

こっち向かねぇかなと思ったけど、向いてくれない

ぷいっと向こうを向かれてしまった


灰「………なあ、A」

貴「……なに」

灰「俺、よく分からずにお前のこと止めたんだけど、何言われたわけ?」

貴「…何処から聞いてた」

灰「…えっと、あっちの『本当だろうが』くらいから」

貴「………ふうん」

灰「…教えてくんねーの?」

貴「……当てられたら教えてあげる」

灰「当てられたら…。んーと、俺と別れて付き合え?」

貴「付き合えとは言われたけど原因じゃない」

灰「言われたのかよ…。じゃあ、身体売ってる」

貴「違う」

灰「股緩い」

貴「…違う」

灰「男に媚びてる」

貴「……違う」

灰「男ウケ狙ってそう」

貴「違う。……喧嘩売ってるならそう言え」

灰「ち、違ぇよ!」

貴「…私のことそう思ってるんだ?」

灰「違ぇって!お前がよく周りから言われることを言ったんだよ」

貴「…まあ、よく言われるし祥吾が本気で言ってるとも思ってないけどさ」


そう言いつつ、Aはこっちを向いてくれないし答えてくれない


灰「…教えてくれよ」

貴「……『キセキの世代でもないくせに出しゃばってんなって話だろ』って言われた」

灰「あ?」

貴「祥吾がバスケ部に入ったの知ってたらしくて、祥吾のことをそう言われた」

灰「…俺のことかよ。言いたい奴には言わせとけば?」

貴「…私はバスケをしてる祥吾がかっこよくて好きなの。それなのに中学のことを持ち出されて、頭に血が上った」

灰「……俺のために怒ったんだ?」

貴「祥吾のためってより、私のため。恋人を貶されて黙ってられるほど私は温厚じゃない」

灰「……」


…ただ単純に、嬉しかった

でも「ありがとな」って言葉は何故か喉につかえて、言い出せない

……自分でもよく分からないが、多分照れくさいんだろう

…素直になれたら楽なのに

伝えられない代わりに、Aを抱きしめた


灰「…俺、お前のことどうしようもなく好きだわ」

貴「……うん、私も好きだよ」

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碧夜叉 - Ωさん» そう言って頂けてとても嬉しいです!嫌われ役は大切だと思いますし、私はそんな彼だからこそ推しになったのかもしれません!これからも応援よろしくお願い致します! (2019年4月17日 7時) (レス) id: fa67c2696c (このIDを非表示/違反報告)
Ω - ここの灰崎愛されてて嬉しい (原作者は灰崎は黒バスファンに嫌われろって思って書いたって言ったの見たことあったし) ありがとうございますここの作者さんと灰崎信者 (2019年4月16日 17時) (レス) id: 421640d4d1 (このIDを非表示/違反報告)
碧夜叉 - ミリイ(灰崎信者)さん» ミリイさんに可愛いと言って頂けて光栄です! (2019年4月11日 8時) (レス) id: fa67c2696c (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 最高に可愛い祥吾様 (2019年4月10日 7時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:碧夜叉 | 作成日時:2019年3月12日 1時

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