検索窓
今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:138,404 hit

5話 新しい仕事 ページ5

 
 
 
「Aちゃん」





「はい」





はじめさんの声に振り返り、手を休める。





「2時間ぐらいで迎えにくるって」





話を聞くと、みんなでラーメンを食べに行ってたらしい。

それで、気づくのが遅れてしまったと。





「そうですか。よかったです」





「…Aちゃんって料理好きなの?」





はじめさんの視線の先には





彩り豊かな調味料が詰められたかご


電気の明かりで反射した器具達


沢山の本がぎっしりと並んでいる本棚





キッチンの周りにある品々が


料理関係の物で埋め尽くされた空間に驚いていた。





「…はい、好きです」





「すげぇ…」





周りを見渡されると、何だか恥ずかしい。





冷蔵庫からお茶の瓶を取り出して

グラスに次ぎ分けていく最中、





「えっ、今の仕事やめるの?」





え、なぜそれを知って…





手を止めて振り返ると

求人誌がテーブルに置いてあるのが見えた。




朝、片付けるの忘れてた…




何て答えよう。

嘘をつくわけにはいかないし。




私は、はっきりと声に出す。





「やめようかなって思ってます」





「…え」





何でそんなに悲しい顔をするんだろう。

訳が分からなかった。





「それじゃあ、会えなくなるってこと?」





「そう、ですね」





仕事でのお客様という関係なだけで

私は、ただの宅配業者なのに。





「…ねえ、Aちゃん」





はじめさんは、小さな声でぽつりと呟いた。





「はい」





「その…Aちゃんの料理を仕事にしてみない?」





…どういうこと?




私が不思議そうに見つめていると

恥ずかしそうにはじめさんは話を切り出した。





「俺の家で、料理を作ってくれませんか?」





料理を…作る。





「えっと、それって…」





詳しい話を聞き出そうとすると

はじめさんのお腹が鳴り響いた。





「…ごめん!何でこんなタイミングで!」





焦りながら視線をそらすはじめさん。




お腹、空いてるんだよね…そうだ。





「…もしよかったらご飯食べますか?」

6話 美味しい→←4話 夜の迷子



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (212 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
603人がお気に入り
設定タグ:YouTuber , はじめしゃちょーの畑   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

影裏(プロフ) - 更新まってます!! (2022年6月6日 4時) (レス) @page33 id: 54dee88f37 (このIDを非表示/違反報告)
カシスちゃん - 次のお話が気になります! 更新待ってます (2019年10月24日 2時) (レス) id: df66e26c2f (このIDを非表示/違反報告)
名無し22819号(プロフ) - コメント失礼します、1話から全部読みました!いいお話ですね!一つ質問なんですが、このお話は誰オチですか? (2019年10月8日 13時) (レス) id: 422de7f24a (このIDを非表示/違反報告)
麗音 - 最近見始めました! (2019年9月21日 9時) (レス) id: f13e29755c (このIDを非表示/違反報告)
みりんみみ(プロフ) - かなちぃさん» お返事遅くなってしまい申し訳ありません。ありがとうございます!いつでも振り返られるように工夫してみました♪ (2019年8月17日 13時) (レス) id: d6ce8c8a6a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みりんみみ | 作成日時:2018年12月23日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。