検索窓
今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:2,048 hit

4 ページ6

*



大人しくなった

と、言ったら良い言い方になってしまうから


暗くなったと言った方が正しい


こんな私には眩しすぎる清々しい空を嫌でも見てしまう窓側の席の私に彼は話しかけてきた




「なぁ、A」




同じクラスだけど久々に近くで声を聞いた気がする

西谷夕




『…なに?』

「俺、そろそろ部活に戻れるんだ」




あぁ…そっか、西谷は旭さんと色々あって…

ってその頃には部活に行かなくなってたから詳しくは分からないけど



それで何だろう

西谷が部活に戻れるから何だって言うのか


私には関係ない



『そっか良かったじゃん』


「俺が言いたいこと分かってるんだろ」


『…』



分からないフリをしたい


でも西谷の事だからきっと誘うんでしょ




「なぁ」


『行かない』


「…何でだよ」


『それこそ西谷が一番分かってるでしょ』


「お前、その呼び方ッ!!」


『お願いだからほっといてよ!!』



ようやく西谷の顔を見て言うことができた言葉がこれ



久々に近くで見た西谷は完全に怒っていた


何に怒ってるのかだって分かる

怒らせて当然の事を言ってるのも分かる



でも




『…もう……嫌なの私』



しっかり言えない私を許してとは言わない


言わなくてもきっと分かっちゃうんでしょ



貴方なら



黙ってどこかへ行ってしまった西谷の背中を、私は見ることができなかった








*

5→←3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (4 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
7人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , 819 , HQ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:レサ汰 | 作成日時:2020年2月16日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。