東海昔ばなし 6 ページ22
りょうside。
.
助けたお礼という名目でAちゃんにミルクティーを奢って貰って
ちょっとだけ他愛もない話をして別れた。
クラスが隣といえども特に彼女と何かあるわけでもなく、
あれから早1週間が経過した。
.
て「うぉー！さびぃ！」
ゆ「なんでこのクソ寒いのに朝っぱらから走ってんだろ…」
「陸上部だからでしょ」
2月に入ってより一層冷え込む中で朝練を行う陸上部。
部活仲間のてつやとゆめまると一緒にランニング。
て「あー…
可愛い女の子が差し入れ持ってきてくれたらもっと頑張れんだけどなあ…」
「どうせ照れてなんも出来んくせに」
て「なんだとぉー！」
ゆ「あの子可愛いやん
ほら、あの〜…」
「どの子？」
て「…もしかしてA？」
ゆ「あ！そうそう！
てつやのクラスの転校生！
えっ もうめっちゃ可愛いよ？
多分りょうくんも好きだと思う」
て「まあ確かにめちゃめちゃ可愛いけど
Aは絶対差し入れとか持って来てくんない」
てつやの口から放たれた聞き覚えのある名前。
ここ1週間、
あの日のアナウンサーの声と一緒に俺の脳にインプットされていたもの。
「それって柴田Aちゃん？」
て「あれ、りょう知り合いだっけ？」
「まあ…そうだね」
ゆ「なにそれ2人とも知り合い？ずりー」
て「んじゃ今度部活見に来てって言っとこうか？」
ゆ「お！流石てつや！」
て「つっても来なさそうだけどなぁ…
A寒いの嫌いだし…」
ゆ「そこをなんとかすんのがてつやの仕事でしょ」
て「んー…頑張るけど期待しんでよ？」
なんて会話を交したのが昨日の朝。
.
て「『今日 今週一の冷え込みらしいからヤダ。』
だそうです」
ゆ「おいーおまえもっと頑張れよ〜」
そうか、来ないのか。
期待するなと言われればしてしまうのが人間の性で。
勝手に期待してた分どこかガッカリしている自分がいた。
それが今朝の話。
.
A「なんとなく、見たくなったから来ただけだから…」
白いマフラーをグルグル巻きにして
同じく白のふわふわミトン手袋まで着用した完全防備のAちゃんが
鼻の頭とほっぺたを赤くして言う。
今ここ。
て「ええ！？
寒いからヤダって言わんかった？！」
A「…なんとなく！
…見たくなったんだから仕方ないでしょ」
唇をキュ、と結んで照れ臭そう。
俺らの周りの温度が少し、上がった気がした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1225人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アリス - なごみさん» はい､こちらこそよろしくお願いします (2018年11月4日 11時) (
レス) id: cb597fc79d (このIDを非表示/違反報告)
なごみ(プロフ) - アリスさん» アリスさん初めまして。わあホントですか( ; ; )ありがとうございます…これからもどうぞ宜しくお願い致します！ (2018年11月3日 9時) (レス) id: 6e4205358e (このIDを非表示/違反報告)
アリス - なごみさん、わたしいつも見ていますこの作品も大好き (2018年11月3日 6時) (レス) id: cb597fc79d (このIDを非表示/違反報告)
なごみ(プロフ) - milkmilkmilk723さん» milkmilkmilk723さん初めまして！お立ち寄り頂きありがとうございますm(_ _)m貴重なご意見までありがとうございます。候補として入れさせて頂きます！ (2018年10月31日 9時) (レス) id: 6e4205358e (このIDを非表示/違反報告)
milkmilkmilk723(プロフ) - いつも楽しませて頂いておりますー！全員分の落ちを1話ずつとかでもいいのでこれはほしいです！！！！検討くださーい！ (2018年10月31日 9時) (レス) id: c4d2b62b12 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：編
| 作成日時：2018年10月27日 1時
