STORM* 6人目~Top star's story~ (ページ28)

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俺らの天使（智side) ページ28

『先に行っている』

そう言って楽屋を出て行ったAを追うように

一緒にブースに向かった俺たち５人。

でもそこにはAの姿も荷物もなく、

スタッフが２、３人居るだけだった。

潤「…Aは？」

そう聞いた松潤にスタッフは不思議そうな顔をして、

『先に済ませて仕事に行った』ととんでもないことを言い出す。

潤「はっ？！」

そんな声をあげた彼は携帯を取り出し、

相手に『今どこにいんだよ？！』と問いただしていた。

聞こえてくる二人の会話。

A「悪いけど私、貴女たちと一緒に仕事なんかしたくないの。
他の曲は一人一人バラバラに取ってるじゃない。変わらないでしょ？」

そりゃ…変わらないけどさ…

A「楽しくもないのに一緒にいるのなんて、まっぴらゴメン。
なんなら私の声消して５人の歌にしたって構わないわ。」

んなこと…言うなよ…

俺は松潤に携帯を借りてAに話しかけた。

無理しなくていいから…嵐でいてくれって。

Aの返事は聞かずに切った携帯。

難しい表情をしている４人に、『はやくやろ？』と声をかけ、

ブースに一緒に入って行く。

イヤホンから聞こえるのは先に取ったAの綺麗な声。

吸い込まれるようなその声が、俺らの耳に入る。

決して高くはないこの歌を一生懸命歌っていて、

イヤだ、と言うけど、

弱音を吐かずに頑張っているAがすごく偉いと思って…

『暗闇の中の君を攫う可愛い声で俺を呼んでよ、
Come, oh my lover 好きだよ、どうしようもないくらい。
欲望だらけの俺を受け入れてくれるなら oh 遊びじゃない』

今の俺のことだ(笑)

歌いながら苦笑する。

きっと…他のメンバーも。

思ってる女は皆一緒。

…笑わない、俺たちの天使、女神。