彼からの要望 ページ23
歯を磨いた後、
楽屋で衣装に着替え、メイクをしてもらう。
スタジオに入るときに、
5人から離れて後ろに立っていた私の隣に来た彼。
潤「笑えよ、」
そう言って放送で使う顔写真を撮っているメンバーを見た。
楽しくもないのに、
そう心の中で呟いてスタッフに呼ばれた私は、
カメラマンの前に立ち、小さな笑顔をつくった。
ポーズなんか取らない。
どうせ私のことは誰も見ないんだから。
収録が始まり、
セット転換の合間に私たちは楽屋に戻った。
はぁ、とため息をついて壁に寄り掛かる。
…グイッと誰かに腕を引っ張られ上体を起こされた。
閉じていた目を開くと前に居るのは…ニノ。
和「おまえさぁ、もっと楽しそうにしろよ。」
そう言われた瞬間楽屋の空気が一瞬にして止まったのが分かった。
無音の空間。
それを破ったのは私だった。
A「は?」
馬鹿みたいな事を言われ、笑ってしまいそうになる。
和「だから、もっと笑えっつってんの、」
潤「おい、ニノ、」
止めに入ろうとする松潤。
A「楽しくもないのに?」
和「だから無理しても笑えっつってんだよ、」
潤「やめろって、」
ニノの肩をグイッと引っ張った彼を睨み、
A「無理に笑って、後でイヤな思いするのは私なの。」
あれこれ書きたてられて、泣きたくなるのは私なの。
A「助けてもくれない貴女たちにそんなこと関係ないだろうけど、
私にとっては大きなことなの、」
深呼吸をする。
A「楽しくもないのに無理に笑えなんて馬鹿みたいなこと要求しないで、」
そう言い放ち私は楽屋を出てスタジオのセットの隅の壁に体を預けた。
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作者名:夢乃 | 作成日時:2011年1月10日 11時