14-場所ノ本能 ページ15
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バイバイ、と悲しそうに僕から離れてななみんの元へ向かう姉さん。
いやダメだって。
何考えてんの?
思わず姉さんの服をガッチリ掴むと「ぐぇ」と汚い声。
「一人暮らししろよ、いい大人が大人に縋るな」
「う、あう……すみません……」
「迷惑考えたことあんの?」
「すみません……」
「はぁ……」
ななみんに聞こえるように叱る僕はある意味牽制も含まれている。
これ以上好きにはさせない、と含めてこの言葉をななみんなもぶつける。
助けを求めるように離れた所に立つななみんに目線を向ける姉さんにななみんは諦めてこちらに向かってきた。
何、文句でもあるのかな?
「新しい住居が見つかるまで面倒を見ようと思ってました」
「探してんの?」
「いえ……」
「なら一生見つからないじゃん」
腕を組んで怒る僕にななみんは全く動じず僕の言葉を待つ。
あー、やだなこれ。
あうあう、と戸惑う姉さんは僕とななみんを交互に見ては持っていたコンビニ袋がガサガサと音を立てた。
僕の言葉次第って訳ね。
「A、僕の家おいで」
「いや、それは流石に……」
「は?」
「不束者ですがよろしくお願いします」
素早く土下座する姉さんを見てからななみんに目を向けると目線は姉さん。
何その悲しそうな顔。
被害者ぶるのやめてよね。
“元”の場所に戻しただけなのに。
「帰るよ」
「あ、はい……ななみん、今度改めてお礼に……」
「気にしないでください、善意です」
「……」
「ふ、フライパン……」
「勝手に買え変えます、お疲れ様でした」
ああ……とななみんに手を伸ばす姉さんだが虚しく空を切り落ち込む後ろ姿。
フライパン?と姉さんを見ているとこちらを向いて「お世話になります……」と小さく零した。
頭を撫でたくなる衝動をぐっと抑え無視して歩く。
後ろで慌てて追いかけてくる姉さんに悪い気はしない。
昔は逆だったのに。
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「お風呂入る」
「一緒に!?」
「やだ」
「がーん!!」
「何、入れると思ったの?」
「思った……」
本当に意識されてない。
姉さんは僕とお風呂入れるの?
この年で?その年で?お互い全裸で?
本気?と再度「なら入ろう」とわざとらしく大きなため息を吐いて折れた振りをする。
途端に万歳する姉さんを無視してTシャツを脱がす。
「おっ風呂!おっ風呂!」と上機嫌な姉さん。
あ、やばい、先に心折れそう。
「入浴剤多くない?真っ白だよ」
「普通」
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+ちっく(プロフ) - イヤアアアアア!!!またまたコメントありがとうございます!こんな読みづらい小説を読んでくださりありがとうございます(´;ω;`)これからも頑張ってこう、こねくり回して書いていくので!これからも楽しんでいただけると嬉しいです!!応援ありがとうございます!!! (3月28日 0時) (レス) @page35 id: 979058a2f7 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華@ペア画中 ???,??,??(プロフ) - やっぱりこの作品大好き過ぎます✨✨この作品の大ファンになろうかしら。というかもうなっているような気がするのでファンクラブにでも入りまっする💪🏻ホント!!大ファンです!!応援してます!!!! (3月27日 22時) (レス) id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
+ちっく(プロフ) - 七星 麗華@???,??,??さん» ンア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!有難うございます!有難うございます!!これから色んな人と沢山絡めるように沢山執筆いたします!!!!応援有難うございます!(ᐠ ᐛ )ᐟアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ (12月30日 18時) (レス) id: 979058a2f7 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華@???,??,??(プロフ) - こんな素敵な小説なのになんでこんなにも伸びないんだぁ…………大好きです、この作品!評価とお気に入り失礼します!! (12月30日 8時) (レス) id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:+ちっく | 作成日時:2023年11月29日 6時