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「Aちゃん〜！」
「こっちやで〜！」
「あ、こんにちは」
と言えば嬉しそうに笑い返してくれるメガネをかけた彼とニット帽の彼、大先生こと
そして相変わらず本を読んでるシマくん
あの日同じ授業をとっていると知ってから毎回私を探して隣に座りに来るシマくん、彼は私と違って友達も多いから私なんかと座らなくても席には困らないはずだし、何よりも彼はどちらかと言うと避けたい
でもこうやってお昼どうかと聞かれると断れないのが私の悪いところで、今に至る
「ほらシッマ、Aちゃん来たで、お前が誘ったんやろ」
と論田くんがシマくんのことを小突くと彼は本を閉じて綺麗な金髪を揺らしこちらを見る
「おぉ！授業お疲れさん！」
「ありがとう、シマくん達もお疲れ様」
と言えば皆笑ってくれる
あの日から何かしらと誘われていつも断れない私はこうやってお昼を一緒にさせてもらうことが増えたのだが、今まで遠目で見てたシマくんの明るい青空のような元気さは戻って来ない
本当にあの本は大切だった見たい、前にウツくんがあれはお守りみたいなもんと言ってたが強ち嘘ではないのかもしれない
怖くなって続きが書けなくなり放棄してしまった駄作は彼にとって一番大切なものなのかもしれない
そう思いながら鞄の中に忍び込ませたそれを持つ手に力を込める
「そう言えばシッマ今日やろ？展示会」
「せやな、ほんま楽しみやわぁ、琴原先生本人が展示会のセットアップしたみたいやからな」
ど、どこでそんな情報を…私SNSにそんなこと書いてなかったはずなんだけど…
「シマくんそんなこともよく知ってるね」
「琴原先生の裏情報とかを担当者さんが呟いてたりするからな！結構いろんなこと知れるで！」
「そうなんだぁ…」
山中さんんん…勝手にツイートしないでぇぇ…
「でも、あの本の事だけは何もないんよな」
といった彼はまたあの哀しそうな顔をする
「…あの！これ、いつものお返し、よかったら貰って」
と言いそれを包んだ袋をシマくんに渡す
困惑気味にもそれを受け取り中身をみようとするシマくん
「わ、私今日は用事あるからもう帰るね、ありがとうまたね！」
と半ば早口で言いその場を逃げるように去る
変に思われたかも知れない、でもあの顔をいつも元気なシマくんがしなくなるならそれでも良い
何故かそう思えた
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彩心(プロフ) - レミリアさん» レミリアさん暖かいお言葉ありがとうございます。これからも自分のペースで頑張っていきます(^-^) (2020年11月9日 9時) (
レス) id: 71f1b2a134 (このIDを非表示/違反報告)
レミリア(プロフ) - すごく好きです…！タイトルに惹かれて読み始めたら内容も良くて素敵な作品ですね！更新待ってます。 (2020年11月8日 21時) (レス) id: 0a87aae102 (このIDを非表示/違反報告)
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