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「シッマ〜、ってお前またその本読んでん」
「ほんまそれ好きやな〜、でもそれいまだに完結せぇへんのやろ？」
と大学のカフェテリアで本を読んでる俺の肩を叩きながら話しかけてくる友人達、本から視線を外し閉じた瞬間周りの煩いノイズが一気に耳に入ってきて自分が如何にこの本に没頭していたかを思い知らされる
「せやな」
「でも他の作品は出てるんやろ？」
「せやな」
「単に忘れとるんやないかそれの存在」
「いや、書く気にならんだけやろ。てか確かその筆者同い年よな」
「せやな…」
とトントンと大先生に返しカフェテリアの窓から空を見る、綺麗な大空、今日は最高のサッカー日和やな、なんて思っていると視界の隅で大先生が俺がさっきまで読んでいた本を手に取ろうとしており咄嗟にそれを止める
「やめろ！」
といつも通り大きい俺の声は思ったより響いて周りの皆もこちらを見る、すみませんと笑えば皆元の生活に戻る
「びっくりしたわお前…」
「これ初版な上にサイン入りやねん」
と言いながら本を自分の前まで寄せサインを見せようと思い裏表紙を開く
この本は初版、そして人気ですぐに売れたのにもかかわらず作者の意思で重版出来されなかった超プレミアムである、俺の一番好きな本
元々は作者が高校生の時に携帯小説としてとあるサイトにあげていたオンライン小説だ、それが予想以上の反響を得て実際に作者デビューをした、が続きが出る事はなかった
確かにこの本はこの一冊で完結と言ってもまあ納得できる終わり方ではある、ハッピーエンドには到達しなかったし続きがあることを仄めかす終わり方はしているがバッドエンドで終わる小説も世の中にはある
だが作者はもう書いていないわけでもなく何よりもこの本のタイトルには確かに「上」と記載されている、と言う事は作者は下巻を書くつもりだったわけで、それにデビュー作の続きを書き忘れるなんてそんな作者はこの世のどこにもいないだろう
この本の続きが出るまで俺はこの本を読み続ける
「ファンからしたら大切やもんな、初版は」
「すまんなシッマ」
「いや、ええで俺もそこに置きっぱやったの悪いしな。ほらこれや、達筆やろ」
とサインを見せるため少し身を乗り出し向かいに座る二人に頁を見せると
「うわあ！」
なんていつの間にか隣まで来ていた煩い四人グループの内の一人の女子がよろめき俺の方へと倒れ込んできた
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彩心(プロフ) - レミリアさん» レミリアさん暖かいお言葉ありがとうございます。これからも自分のペースで頑張っていきます(^-^) (2020年11月9日 9時) (
レス) id: 71f1b2a134 (このIDを非表示/違反報告)
レミリア(プロフ) - すごく好きです…！タイトルに惹かれて読み始めたら内容も良くて素敵な作品ですね！更新待ってます。 (2020年11月8日 21時) (レス) id: 0a87aae102 (このIDを非表示/違反報告)
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