1月3日 ページ3
．
『 ……、 』
「 ……。」
『 …あの、』
「 ……？ 」
『 あ、いや…なんでも！ 』
わたしは今まで、ここまで巧みな話術が欲しいと懇願したことがない。
いや、別にわたしの他人との接し方や話し方に問題があったわけではないと思うし、
特別人見知りってわけでもない。
ただ、相手があの音駒高校2年の福永くんなだけ。
そう、それだけ。
わたしの知人の中では一番無口なだけ。
……どうしたらいいのスガさん。泣
(困ったらとりあえずいつもスガさん)
カタッ
『( びくっ )』
起床して約2時間、今のところ彼の行動は、洗顔歯磨き食事のみ。
隣にわたしが寝ていたことにも全く動じなかったらしい。
だから、彼がテーブルのリモコンを手にしただけで、肩を揺らすほどびっくりしてしまった。
『 ……あれ、』
テレビを見ると、毎年この時期になると放送されてるお笑い番組が流れてた。
…え、これ福永くんが自主的にかけたチャンネル？
それともわたしとの沈黙が辛くてせめてもの気持ちでかけたの？
いや、そうではないみたいだ。
ソファに体育座りしてテレビを見る福永くんは、とても？楽しそうな顔をしてる。
『 やっぱり今年もやるんだねこの番組。
わたしこの番組結構好きで見てるんだよね、』
「 ……、 」
そう言うと、福永くんはちらっとこっちに視線を送って、あまりにも見つめてくるもんだから、
ん？を首をかしげると、自分の横をポンポンと叩いた。
ああ、そっちは見辛いからこっちで見てもいいよってことか。
わたしは、ありがとうとお礼を言って、福永くんの邪魔にならないように少し距離をとってソファに座った。
『 ……あれ、やっぱり邪魔だった？ 』
座ってからも福永くんはわたしから目を離さないから、そう聞くと、ふるふる首を振って、
薄く唇を開けたかと思えば、
「 ……遠い。」
と、小さな声で言った。
聞き間違いかもしれないから、とりあえず数センチだけずれると、
服の裾を掴まれて、くいっと引かれる。
あ、もっと近寄れってこと？
『 これでいい？ 』
福永くんまでの距離、僅か5センチ程度のところまで近づいてそう聞けば、
返事をするように、福永くんは少し微笑んで見せた。
( 福永くん可愛すぎて辛い…… )
( …あ、斎○さんだ、)
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 41人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「ハイキュー」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆい(プロフ) - 青根君が可愛いですね！ 出来れば続きやってくれると嬉しいです！ (2017年9月23日 0時) (
レス) id: 1646d8f82a (このIDを非表示/違反報告)
優 - このシリーズ終わってしまったんですか？少しさみしいです (2016年9月25日 15時) (レス) id: f0cf81456a (このIDを非表示/違反報告)
ぴよにゃん - うぇい。←分かりにくいがテンソンが上がってます。ウェイ。 (2016年4月10日 11時) (レス) id: 14134d9d4a (このIDを非表示/違反報告)
まりもクン。(プロフ) - 涙さん» ありがとうございます！！（；＿；）頑張ります！！ (2016年4月1日 19時) (レス) id: adc226b4ad (このIDを非表示/違反報告)
涙 - とても面白いです！！何コレ俺得！！みたいな感じで読んでましたｗｗｗ更新応援してます！！頑張ってください＾＾ (2016年4月1日 17時) (レス) id: 6d9df2787f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まりもクン。 | 作成日時：2016年3月13日 3時
