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きっと入ってくれないだろうと思って言ったこの言葉を、総悟くんは珍しくすんなりと受け入れてくれた。
さらに、背の小さいわたしが持っていたら頭が傘にぶつかるだなんて皮肉を言って、傘を持ってくれた。
きっと、わたしは荷物を持っているし、気を使ってくれたんだと思って、総悟くんに見られないように少し頰を緩めた。
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「 それ、旦那にですかィ。」
『 そうだよ。』
「 …使いっ走りってやつか。」
『 ふふ、悲しいなぁ。』
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使いっ走り。
そう、これはただのおつかいで、わたしに会う口実だなんて可能性は雲の上のようなものだ。
総悟くんは、わたしが銀さんを慕っていることを随分前から見破っていて、2人の時はたまに相談に乗ってくれる。
そう、知っているくせに、使いっ走りなどと言ってくるこの人は、やっぱりドS。
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『 ……、』
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…わかってるけど、わたしが会いたいから、
ただの使いっ走りでも、わたしが銀さんに会いたいんだから、仕方ないじゃないか。
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「 …あーあ、こんな冗談なんかでそんなツラしやがって、
自信がなさすぎなんでィ、あんたら。」
『 え? 』
「 見てみなせェ、どっかで盗み聞きでもしてたみてェなタイミングでさァ。」
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言っている意味がよくわからなくて、総悟くんの顔を見上げると、総悟くんは前方を指差した。
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くさもち(プロフ) - 初めまして。こちらの短編の銀さんが素敵だったのでコメントさせて頂きます。中々結ばれない切ない感じと、最後のほのぼのとした雰囲気が好み過ぎて……! 無理せずに更新、頑張ってください。応援しています (2016年3月27日 11時) (レス) id: 5e71046f26 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 銀さんかっこいいーーーー!!!!更新頑張って下さい!応援します!! (2016年1月24日 22時) (レス) id: a208ae872c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりもクン。 | 作成日時:2015年12月13日 0時