君の心は難問過ぎる！

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(A視点)



東大王の収録はあっという間に終わってしまった。


結果は2回戦負け。
悔しかったし実力不足を痛感したが、他の大学や彼のクイズへの熱い想いや真摯な姿勢を感じられて、より一層クイズを好きになれたし、チームの2人への信頼感も増した。


……少し残念だったのは、収録中に彼と目が合うことも、ましてや会話をすることなんて全くなかったこと。

それでも、近くにいけて、声を直に聞けて、クイズをしている彼の姿を直接見れただけで私は満足だった。

(こんな不純な動機で東大王に出た人、多分私が初めてだろうなぁ………。)


そう内心で苦笑しつつ身支度を終え、早稲田チームのメンバーと共に楽屋を出ていく。


「お疲れ様でした！」

「お疲れ様です！」


他のチームの方達と挨拶や軽い雑談をしながら建物から出ていこうとした、その時だった。









「…ねぇ！そこの君！…………早稲田の………清水さん！！」









よく知った、頭の中で何度も反芻した声で自分の名前を呼ばれた気がして、つい振り向いた。









その先には、こちらに走り寄ってくる、伊沢さんの姿が見えた。

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