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(A視点)
用件がなんなのか分からずにもんもんとしていたら時間はあっという間に過ぎていて、呼び出された午後5時はすぐだった。
今日は一段と暑くて、この時間になっても動いていると汗が吹き出そうだった。
「あ、ごめんね待った?」
そう言って現れた河村さんはいつものラフさからは一転、フォーマルな服装をしている。
明るめの紺色のジャケットを手に持ち、白いワイシャツはパリッとノリが効いていた。
「いえ、待ってませんけど…………。」
「雰囲気違うな、とか思ってるでしょ。」
「……あはは、バレちゃいましたか?」
「清水さん………いや、Aちゃんはわかりやすいからね。」
急に名前を呼ばれ、ドキッとする。
(名前を呼ばれて伊沢さんのこと、思い出しちゃうなんて、)
「……え、……そ、そういえば、急にどうしたんですか?今日なにかありましたっけ…?」
「ああ、うん。ちょっと話があって。まぁ私用だからQuizKnockは関係ないよ。」
今の気持ちをかき消すように慌てて話をそらすと、くすくすと笑いながら返される。
「そ、そうなんですね。記事に不備でもあったのかと思って焦りました…、それで、その話ってなんですか?」
「立ち話もなんだし、部屋に入ろう?」
そう話して扉を開ける河村さんに続いて部屋に入ると、中は無人の様だった。
(二人っきりだとちょっと緊張しちゃうなぁ………河村さん、美人だし…。)
そんな私を察してか自分が暑かったからか河村さんは、冷たいの出すからそこ座ってて、と言って冷蔵庫を開いている。
私が椅子に座ると、河村さんははい、どうぞ、と言ってコーヒーを差し出して私の対面に座った。
「それで、話って一体なんでしょう……??」
「ああ、実はね、言わないでおこうと思ってたんだけど俺、Aちゃんのこと好きなんだ。」
付き合って欲しい、そうサラリと言ってコーヒーを飲む河村さん。
飲んでいるところも絵になるなぁ、と思いかけて、河村さんの言葉をよくよく咀嚼する。
そして固まってしまう。
(…………え!?ええ!?)
「ふふ、すごく驚いた顔してるね。」
「いや、え………??あの、言ってる意味がその、よく分からないんですけど……。」
「ん?そのままの意味だよ。俺が君を好き、単純でしょ。」
微笑む河村さんに、頭がくらくらした。
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ぴの - 伊沢さんが大好きで読み始めました。キュンキュンします!続き待ってます! (2018年11月30日 2時) (レス) id: a8459cfa7b (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - えたさん» ありがとうございます〜!!励みになります! (2018年11月24日 15時) (レス) id: b35afa0062 (このIDを非表示/違反報告)
えた(プロフ) - はじめまして〜!続きがすごく気になります…!更新頑張ってください!! (2018年11月24日 12時) (レス) id: 9d6349b3fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海月@初心者 | 作成日時:2018年11月23日 16時