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(伊沢視点)
「…………はぁ?馬鹿じゃないの。」
「だよなぁ〜……俺もそう思う。」
「最悪だね。」
経緯を説明してからの開口一番、ボロクソに罵られた。
俺は今、福良さん、河村さんに事情を説明するため、QuizKnock編集室に集まっている。
「伊沢はさぁ、前からテレビ露出もあって、本にも帯に顔載せて、QuizKnockとしてYouTubeにも顔出ししてるんだから。顔割れてる有名人なこと自覚してないの?」
「耳が痛い限りです…。」
「しかもクイズイベントって。お前のファンの大多数はクイズ好きなんだよお前がクイズ好きなんだから!変装もしないでそんなとこ行くなんて話しかけてくださいって言ってるようなものだろ!」
いつものほほんとした福良さんも呆れ顔だ。
「あのねぇ……」
先程から一変し、ため息を着いた河村さんは心配げな、それでいて真剣な顔をする。
「伊沢は清水さんとお付き合いしたいの?それとも仲の良い友達になりたいの?」
「俺は………、今まで、付き合いたいとかそういう風に考えては……、」
「そんな風に考えてるなら2人で遊びに行こう仲良くなろうなんて思うな。」
河村さんの目には冷徹な光が灯っていて、おれは思わず息を飲んだ。
「お前は有名人で、有難いことにファンも多数着いてくれてる、それは分かるよな?」
気圧されながらも頷くと、吐き捨てるように告げられる。
「今まで女の気配が全くなかったお前に女が近づいてて、しかもそれは自分達と大差ないと知ったお前の心無い過激なファンはなにをすると思う?風評被害、嫌がらせ、ストーカー、はては暴力沙汰まで行く可能性だってあるんだ。今回はまだ1回目だからどうにかなるかもしれないが………。」
守りきる自信が無いのなら、親しい知人止まりにしておけ、というため息混じりの言葉に、俺は沈黙でしか返せなかった。
「…………お前が守りきれないなら、俺が清水さんを守るよ。」
俯く俺に降りかかったそれは微かに熱を帯びている気がして、思わず顔をあげる。
「え、……もしかして、…河村さん、清水さんのこと、」
「…あぁ、そうだよ、」
俺はずっと、清水さんのこと気になってたんだ、と紡ぐその唇を、呆然と見つめるしかなかった。
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ぴの - 伊沢さんが大好きで読み始めました。キュンキュンします!続き待ってます! (2018年11月30日 2時) (レス) id: a8459cfa7b (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - えたさん» ありがとうございます〜!!励みになります! (2018年11月24日 15時) (レス) id: b35afa0062 (このIDを非表示/違反報告)
えた(プロフ) - はじめまして〜!続きがすごく気になります…!更新頑張ってください!! (2018年11月24日 12時) (レス) id: 9d6349b3fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:海月@初心者 | 作成日時:2018年11月23日 16時