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(A視点)




呆然としすぎてどうやって帰宅したか全く覚えていない。

(伊沢さんと話すと、いつもこうだな………。)

昨日のことを思い出して赤面する。
自分の名前を呼ぶ、伊沢さんの低くて色気のある声を思い出すだけで体が震える。

(今度会う時、どんな顔すれば良いんだろう。……というか、デートってこと、だよね………。)

そう、昨日の帰り際に、今度新宿で行われる街歩き系のクイズイベントに誘われたのだ。

名前を呼ばれた歓喜と羞恥でぼーっとする頭で返事を返したが、次にどんな顔して会えばいいのか全く分からなかった。









そして時は過ぎて、クイズイベント当日。

(服装、変じゃないよね……??)

多少の緊張と、伊沢さんに会える喜びと、前回からの気まずさで頭がパンクしそうだ。

私は今、新宿駅定番の待ち合わせ場所に立っている。
時刻は約束の時間の5分前、10時55分。
周囲には私と同じように誰かを待っている人や、友人か恋人か、談笑しながら立っている2人組も見られる。

(というか、なんて呼べばいいんだろう、あの時は流されて名前で呼んでしまったけど……。お酒の場だったし………。)

「ねぇ!」

「っ!は、はい!!………えっと、なんでしょう?」

突然話しかけられて肩が跳ねた。
色々と考え込みすぎて近づいてくる人に気が付かなかったみたいだ。

誰か知り合いにでも話しかけられたのかと思えば、知らない2人組の男性だった。
なんとなく服装はチャラチャラして見え、十人中八人くらいがチャラ男だ、と言うような出で立ちだ。

(ちょっと怖いな…、でも周りに人も居るし…。)


「君可愛いね、誰かと待ち合わせ?結構待ってるみたいだけど?」

「暇ならさぁ、俺らとそこのカフェとか行かない?俺ら2人だと華がなくてさ〜。」

「お、ナイスアイデアじゃん!行こうよ!あそこのお店美味しいって評判だし?」

「もし良ければ奢るからさ!」

「…い、いや…えっ…」

畳み掛けるように交互に話しかけられ、しどろもどろになってしまう。
周囲の人もこちらを伺うばかりで介入してくる気配は全くなかった。

あたふたする私に痺れを切らしたのか、2人のうちの1人が私の腕を掴もうと手を伸ばしてくる。

つい、避けるだとか振り払うことも忘れ、目を瞑り腕を引いて縮こまってしまう。

(や、やだ……!怖い…!………………伊沢さ………たくしさん…………!!)


恐怖で目の端に涙が浮かんだ。

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設定タグ:伊沢拓司 , QuizKnock , 東大王   
作品ジャンル:恋愛
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ぴの - 伊沢さんが大好きで読み始めました。キュンキュンします!続き待ってます! (2018年11月30日 2時) (レス) id: a8459cfa7b (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - えたさん» ありがとうございます〜!!励みになります! (2018年11月24日 15時) (レス) id: b35afa0062 (このIDを非表示/違反報告)
えた(プロフ) - はじめまして〜!続きがすごく気になります…!更新頑張ってください!! (2018年11月24日 12時) (レス) id: 9d6349b3fd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海月@初心者 | 作成日時:2018年11月23日 16時

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