いちごたちと転校生7【すとぷり】

密会 ページ10

さて、ころんに会えないまま
文化祭まで残りわずかになった

ころんは、最初の頃よりも落ち着いたみたいで
あってくれば？とか言われるけど
そんな簡単に会えたら、私も苦労してない

そんなところで、クラスは文化祭に向けて順調に進んでいる、んだけどなぁ…

「お願い！雨宮さん、このメイド服とウィッグ着て！！」

『ど、どうして…？？』

見回りついでに、クラスに立ち寄ったら
何故か、お願いされていた

お化け喫茶劇、最終的に
ハロウィンみたいな、お化け的な雰囲気の喫茶
で起こる不思議な出来事を劇にした、みたいな感じで
私は、その管理人みたいな？そんな役をお願いされていた

「私の理想的に雨宮さんがピッタリなの！！
着てみて！！！」

と言われ、私はクラスメイトが用意したやつを
無理やり着せられた

ウィッグは、黒髪のツインテールで黒のカラコンも入れられ、メイド服は、ゴシック調のロングスカート
まるで別人のような自分に感動した
だが、サイズが絶妙にあっているのが気持ち悪い

『ちなみに、これサイズがあってるのは…』

「？あなたの友達の小石さんからよ？」

なんで知ってんだあいつ…




全部着て、クラスメイトの前に立つと

「…さすがよ、雨宮さん…私の目に狂いはなかった
ああ、可愛い…私を踏み潰してください…」

若干引いた顔でクラスメイトを見ると

「ああ…！！！いい！！！じゃあ、この調子でお願いね…！！」


と言いながら、彼女は配役に私を書いた




あれ、これ、私の意見通らない系？



まさか、私に役目が来るとは思わなくて
とぼとぼと4階の見回りをしようとすると

綺麗なヴァイオリンの音が聞こえた

確か、3階には音楽室があるはずだから
そこで誰かやってるのかな、と注意しようと思って
そこまで行くと


「綺麗な音だっー上手くー」

「そこはー指をー」

聞き覚えがある声が聞こえた
とぎれとぎれだけど、私ならわかる
これは…時雨さんところんの声だ…
2人で…何を…？？？

聞いた感じ、ヴァイオリンをやってるみたい
だけど…時雨さんならまだわかるけど…ころん？


時雨さんが、クラスにいなかったのも
ここにいたから？？


風紀委員だから、注意しなきゃいけないはずなのに
芸能人の密会を見つけたような気がして
気が引けるし、こんなところでころんと会いたくもないから、私は音楽室を後回しにした

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