いちごたちと転校生7【すとぷり】

支え合い ページ9

ジェル先輩とりいぬくんの圧に負けて
早退することになった、あの日から
週明けて月曜日、文化祭まで1週間ちょっと
実は、あの後帰ったら、バチバチに体調崩して
学校に行けないまま、土日を迎え、今日に至る

やっぱり、無理はいけない
だいたい、考えも落ち着いたし、今日は冷静にいけるはず

「雨宮さん、おはようございます」

『お、おはよう、時雨さん』

意外な人物に声をかけられ、私は戸惑った

「体調はどうですか？全然学校に来ないもので、心配しました」

『心配おかけしてすみません、おかげで元気です！』

「ふふっ、私は何もしてないですけどね」

と、また微かに笑った、やっぱり真顔でクールな
時雨さんもいいけど、私は笑顔が好きだな、と
今の時雨さんを見て思った

そして、その流れに乗っかるかのように
2-3の三馬鹿小石、藍良くん、さとみくんの3人が
私に近寄って来て、それぞれ心配の言葉を口にする


「雨宮！！！君を心配するあまり！！千羽鶴を作ってしまった！！！」

…どゆこと？？
そこイコールの関係になる？？心配＝千羽鶴？？

「ああ、僕の可憐な薔薇よ…君がしおれたと聞いて…聞いて…曲1個作ったよ！！！」

と言って、何故か鍵盤ハーモニカを持ってくる
嘘だろ…お前鍵盤ハーモニカやるの？今ここで？

てか、私薔薇じゃねぇし！！

「やめろ、三条見苦しい、Aいいジム知ってるんだけど、行く？」

初めて聞いたわ、その
いい○○知ってるんだよね、のフレーズにジム入るの
お前は、私をどうしたいんだ？

「やめなさいよ、雨宮さんが困ってるわ」

と、時雨さんが止めてくれた

『好き…』

「雨宮さん…？」

やっぱり、時雨さんなんだよなぁ…







『ジェル先輩、見回り代わりにやってくれたありがとうございます』

「気にせんといてー、好きな子が困ってたら助けるのが普通やろ」

『す、好きな子…』

いやいや、呑まれるな…
ジェル先輩は、もしかしたら冗談で言って…
いや、言ってないわ、この優しそうな顔は言ってない

「それに、見回りやろうって言ったのるぅとやし」

『…るぅとくんが？』

意外な名前が出て、私は聞き返した

「うん、るぅとのこと誤解しないでほしい、あいつにも時間が必要なんやって、だから、今度Aちゃんに話に来たら、るぅとなりに勇気出したってことやから、なんにも聞かないで欲しい」

『…そう…ですか』

ジェル先輩が言った言葉が、前、時雨さんに向かって
私が言った言葉と重なった

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