いちごたちと転校生7【すとぷり】

じぇりーぬ ページ8

起きたら、そこは3時間目の授業終わりだった

保健室は教室とは遠いから、生徒の話し声は何も聞こえないし、時計の音しか聞こえなくて、すごく不思議な感じがした

そういえば、私時雨さんとの話途中にぶっ倒れたんだ
困っただろうな…悪いことしたわ…



1時間以上は寝てるはずなのに、体はちっとも良くならなくて、どうしようかな、と考えていると

「あ、Aさーん！」

「Aちゃん、ほんとに寝とったんや」

莉犬くんとジェル先輩が来た

『久しぶり、どうしてここに？』

「いや、あのな、さとちゃんからAちゃんが体調悪いって聞いて、いてもたってもいられなくて、来たんよ」

「ほんとに顔色悪いですね、悩み事でもあるんですか？」

と、生徒会の活動もないし、文化祭の準備で大忙しなので、久しぶりの2人の元気な姿に少しほっこりした

『ちょっとね…』

と、苦笑いしながら、答えると

「まさか、ころちゃん関連？」

「ばっ！莉犬！！」


ド直球だなー、莉犬くん…
というか、ジェル先輩のあの反応からして、知ってるな

『大丈夫、別に隠すことでもないし、ちょっと喧嘩というか、地雷を踏んだというか』

「「あー」」

それで理解できるのすごいな

「んー、じゃあ、るぅとくんも？」

「は？？莉犬、お前ほんまデリカシーないな、友達おらんやろ」

「いるし！！！！」

ほんと、このふたりはいつ見ても、面白い
というか、ころんのことで頭いっぱいになってたけど、思えばるぅとくんも疎遠なんよな…
実質、莉犬くんの野生の勘は当たってるし、それを理解してるジェル先輩もすごい
人をよく見てるって証拠だね

『まぁ、こっちも隠すことでもないか、るぅとくんもなんか避けられてるんだよねー』

「ごめんなぁ、デリカシーのない莉犬のせいで」

「そんなこと言ったら、ジェルくん、なんの追求もしないまま、お見舞いに来て帰るだけでしょ」

うわぁー、優しいジェル先輩だからなんの追求もしないまま、帰りそう…
めっちゃわかるわ…

「それはそうやけど…というか、Aちゃん顔酷いで？いつもの可愛い顔が台無しになっとる」

『すみません、まだ体調良くならなくて…』

「帰った方がいいですよ、Aさん、俺も体調悪くなりやすいので、わかるんですけど、それ絶対家で安静にしとかないと悪化するやつです」

『いや、そんな、もう1時間寝れば良くなるから…』



「「いや！早退！！！！」」

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