ショートカット

〈 42 〉 ページ42

…




"いぶくん1回会って話そう"




いぶくんにLINEを送って、1時間は経った。
でもLINEの返信が来なくなったのは1ヶ月くらいも前だから、それに比べれば全然待ってない。


一応既読はずっと付いてて、返信だけ来ない。
いわゆる既読無視ってやつ。



まぁ別にそんな大事な用件を話してるわけじゃなかったから、どうしたんだろう くらいにしか思ってなかったけど…。そりゃ心配はしたよ。

今日Aの話を聞いて確信した。




…まったく、いぶくんらしくない。
たしかに僕も悪かったかもしれない。
だけど、それで僕のLINEを無視するのはちょっと納得いかない。

そもそもいぶくんからそんな話聞いてないのに、1人で考え込んでLINEも返さないなんて。




｢…あ。｣




既読は付いた。
でも返信が来る気配はない。




｢…言うか。｣




ふっと息を吐いた。




"Aとは付き合ってない"

"本当に"

"駅前のカフェで待ってるから、来てね"




来るかはわからない。
でもとりあえず言ったからには行くしかない。




…




席に着き、ミルクティーを飲んでいたら、前の空気が揺れた。




｢…久しぶり。｣

｢…うん。｣




そう短く答えてそっと座った。




｢とりあえず何か頼んだら？｣

｢いや、いいよ。｣




口にはしてないけど、｢早く話せ｣と催促されてる気がした。




｢…いぶくんはさ、Aのことが好きなの？｣




話の目的とはズレてるかもしれないけど、まずは確かめたかった。

まぁきっと答えてくれないだろうけど…




｢うん、好きだよ。｣




…

〈 43 〉→←〈 41 〉

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す