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…




｢…え、びっくりした。どしたの？｣

｢ちょっと…お邪魔していい？｣

｢いいけど…散らかってたらごめん。｣

｢んーん、大丈夫。こっちこそ急に押しかけてごめんね。｣




とりあえず自分の部屋に通して飲み物を用意した。
まぁお茶しかないんだけど。




｢…えーと…、｣

｢Aさんって、｣

｢！｣




少しだけ気まずいこの空気に戸惑っていたら、向こうから口火を切った。

出てきたその名前にさらに戸惑う。




｢そうくんと、付き合ってるの？｣




やっぱりか、なんて。
ちょっと遅かったかな、やっぱりあの時ちゃんと教えておけばよかったのかな。

…事実を教える分には構わないよな？




｢付き合ってはない、けど…。｣

｢…ほんと？｣

｢うん、それは間違いない。｣

｢でも、Aさんの首に…キスマークあったんだよ？そうくんが付けた。｣




…マージでアイツらアホだな…。
そんでもってAは無防備すぎんだよ。




｢それってつまり、そういうことじゃん。それなのに付き合ってないなんて…｣

｢あーーー待って、落ち着いて？｣




一度思い込むとそれしか考えられないのが悪い癖。
それを止めないともっと落ちていってしまう。




｢本当に付き合ってない。
詳しいことは言えないけど…多分あれは事故。｣

｢事故？事故ってどんな事故？｣

｢その前に、なんで今Aのことにこんなに必死になってるかわかる？｣

｢…！｣




このくらい言わないと、きっと目を覚まさない。




…

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