ショートカット

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…




｢てんちょぉぉぉぉぉぉお！！！！！！！｣

｢え、うるさ、Aちゃんうるさ…ってあれ？｣




泣きながらバイト先のカフェに入り、いきなり店長こと夏代さんに飛びついた。




｢失恋したので髪を切りました。｣

｢本当にそんなことする人いるんだ…。｣

｢ここにいました。なっちろさん慰めてください｣




さっきは店長なんて言ったけど、普段はなっちろさんと呼んでいる。
周りがみんなそう呼んでいたから真似したら、とくに何も言われなかったので継続している。




｢でもショートカット似合ってるよ。｣

｢ありがとうございます、なっちろさん付き合いませんか？｣

｢付き合いません。
っとに…そういうとこだよ、惚れやすいしアタックが早いし、もっと段階を踏まなきゃ。｣

｢うぅ…ご最も…。｣




どうも私はせっかちなようで、好きな人ができたら何も考えずすぐに猛アタックをする。
アタックするのは悪くないことだとしても、アタックの仕方が悪いらしい。

つまり出会って初日に告白するケースもしばしば。
そして大抵は引かれて終わる。
言ってしまえば、恋愛に関しても道のりをショートカットをしていたようなもんだ。あ、今うまいこと言わなかった？

まぁそんなことは置いといて…。



だが今回は違った。




｢一週間で別れるってどう思います！？｣

｢Aちゃんにしては続いたんじゃない？｣

｢馬鹿にしないでくださいよ！！｣




なんと、今回は出会って初日に告白したにも関わらずOKをもらった。
それはもう舞い上がって、毎日LINEもしたし出かけもした。

そして昨日、衝撃の言葉を告げられた。




｢なんか、Aといると疲れるから別れてほしい。｣




私といると疲れる。
あとから聞いた話によると、最初は大人しいいい子だと思ってたらしいが、関わってみたらテンションが高くて鬱陶しいと思ったらしい。

テンションが高かったのは好きな人と付き合えたからじゃん…。



思いのほかショックを受けた私は、これを機に恋愛はしばらくやめようと思い、長かった髪を思い切り切った。

そして現在に至る。




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