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う「センラ、」

セ「今行くよー」


先を行くうらたさんが私達を急かす。

追いかけるように後を追うと
あっという間に森を抜けた。


セ「もうすぐ町やで」


 「町...?」

セ「俺みたいにその人は人間と一緒に住んでるんよ。」

 「あ、そっか」


そういえば、あの城に仲間の3人が居て、
それが普通だと思っていたけれど、

センラさんみたいな人もちゃんと居るんだ…。



踏み固められた道が
馬車が通れるほどの広さになり、

向こうに屋根が見えてきた頃だった。


セ「うらたん、そろそろ近くに居てあげて。」


う「、おう。」


前を歩いていたうらたさんを呼び止め、
うらたさんは私の隣で歩み始めた。


私も人なので、守ってもらっている状態で

あからさまに怯えたりはしないが
身体は少し強張っているだろう。


 「銀杏(いちょう)、」

セ「綺麗やな。」


少しの恐怖感を振り払うように景色に目を向けると

いつの間にか周りは銀杏(いちょう)の木で一面黄色だった。


 「...銀杏(ぎんなん)、落ちてないね」


セ「あー、そうやね、
  なんやっけ、うらたん前に話してなかったっけ?」

う「、ぁー、銀杏(いちょう)には雄と雌の木があって両方ないと実がならないんだよ。」


セ「それそれ、なんやってA」

 「へぇ、」



また黄色の木を見上げ、生き物みたいだな、と
ふと感じた。


銀杏(いちょう)並木は町が整備したものだったようで、
それからすぐに町に着いた。


母や父が亡くなってから他の町に行く機会なんてなかった私には
どこを見ても新鮮なものばかりだった。


 「ぁ、凄い、」


セ「寄っていこうか?」

 「え、いいの、」


セ「ええよ、行こ」

う「...。」


うらたさんの表情を読み取ろうとしてみるが
あまり、よくわからなかった。


でもきっと何かあればセンラさんに言うだろう

と考え、近くにあった洋菓子店に入った。

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ちょこ - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます!(´;ω;`) (2022年3月9日 1時) (レス) @page26 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:う さ ぎ 。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php  
作成日時:2020年10月30日 1時

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