新たな繋がり ページ5
『明宮さん？』
まさか泣いているとは思っていなくて固まる
そんなに傷つけてしまったのか？なんで泣いているんだ？泣き止ませるにはどうすれば...
とにかく落ち着かせようと強く抱き締めて背中を一定のリズムで叩く
明宮さんは抜け出す事を諦めたのか、抵抗することなく、腕の中で嗚咽をもらしていた
しばらくその体制のまま時間が過ぎると、明宮さんが落ち着いてきた
『...大丈夫ですか？』
「...ご迷惑をおかけしてすみません」
『いえ、俺も何か傷つけるような事を言ってしまったようで...』
「御園先生は悪くありません。私が高望みしたばかりに」
首を横に緩く振りながら否定する姿に、そんな時ではないことは分かっているが少し胸がギュッとした
しょうがない。これは不可抗力だ。よく言うだろ？惚れた方が負けって。それだよ
...って、俺まだ重要な事言ってなかったな
『明宮さん』
「...はい」
『俺と、付き合って下さい』
そう告げると、あまりにも突然すぎたのか、涙の止まった明宮さんが俺を見上げた
...確かにいきなりだったな。特に前置きもなければそうなるか
少し言葉も足りないか？と思った俺は明宮さんの目を見つめて言った
『仮の関係ではなく、俺と...俺の本当の彼女になって下さい』
言いたいことは言い切った
なんだかジワジワと恥ずかしさが襲ってきたが、後は返事を聞くだけだと思い、ふと、こんな体制で告るとか図々しいよなと頭をよぎった
頭を下げるくらいは絶対にした方がいいよなと、抱きしめていた腕を離し距離を取ろうとしたとき、呆然と立ち尽くしていた明宮さんが俺に抱き着いてきた
『...んぇ！？』
思わず変な声が出たが、そんな場合ではない
明宮さんから、俺に、抱きついて...
さっきまでの謎の冷静さはどこへやら...顔には熱が集まり、頭が真っ白になった
『えっと...明宮さん？』
「...すみません」
呟かれた言葉に、これは告白を断られたのか、今のこの状況についてなのかと、既にダメになってしまった頭で必死に考える
結局答えは出なかったので明宮さんに返事を聞こうと見下ろすと、肩の震えと嗚咽で、またもや明宮さんが泣いていることが分かる
『え...そんなに嫌でした？』
「...ｯ違います」
『...へ？』
はっきりと否定され、これはもしや、可能性があるのでは？と思っていると、ゆっくりと顔を上げた明宮さんと目が合った
「...よろしくお願いします」
柔らかく微笑んだ明宮さんはとても綺麗だった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3328人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
湊 - とても面白かったです。続きがとてもとても読みたいです。更新待ってます頑張ってください (2022年11月24日 12時) (
レス) @page36 id: 7f466015d5 (このIDを非表示/違反報告)
うそぉ - おわり…？……えっ…。ずっと待ってます。 (2022年7月25日 1時) (レス) @page36 id: ee5f64dfe2 (このIDを非表示/違反報告)
, - すき！ (2021年7月16日 7時) (レス) id: 7101de1cdb (このIDを非表示/違反報告)
カイルマ(プロフ) - 夕張さん» こちらこそ長い間お待たせしてしまいすみませんでした！！実は今まで入試期間で勉強詰めだったんですが、解放されたのでこれからは更新していきます！更新を待っていて下さりありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2020年10月18日 8時) (レス) id: 236f2f52e9 (このIDを非表示/違反報告)
カイルマ(プロフ) - かりんさん» 200ピッタリ！？おめでとうございます(？)評価ありがとうございました！ (2020年10月18日 8時) (レス) id: 236f2f52e9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：カイルマ | 作成日時：2020年5月28日 22時
