元殺し屋、転生します5〈名探偵コナン〉

関係の解消3 ページ4

ポアロで働く人の荷物を置くためのロッカーや小さめの机等があるスタッフルーム

そこに一度深呼吸をした後入ると、椅子に座りボーッと時計を眺める明宮さんがいた

やっぱり待たせていたかと罪悪感が湧き上がるが、それを飲み込んで笑顔を作り、近づいた


『明宮さん、待たせてしまいすみません』

「いえ、もう大丈夫なんですか？」

『はい、一区切りがついたので』


嘘だ。ただ気持ちの整理が出来なかっただけで...というか、正直言ってまだ整理は出来ていない

でも、ここまで来てしまったからにはやるしかない

当たって砕けろ！...いや、砕けたくはないな


「それで、一体どうしたんですか？」


早速か...大丈夫、俺ならいける


『実は、この前話していたストーカーなんですが、無事解決しまして』

「そうなんですか？おめでとうございます」

『ありがとうございます。ですので、仮のカップルという関係は解消したいなと思いまして』


すると明宮さんはしばらく黙り込んだ後、分かりましたと真顔で呟いた


「確かにもう必要はありませもんね。短い間でしたがありがとうございました。次はまた打ち合わせの時に会いましょう」


一息で言い切ると、荷物を持ち裏口から出ていこうとする明宮さんに驚いて、思わず固まる


『え、ちょ、待って下さい！』

「すみません。急用を思い出したので今日はこの辺りで...」

『明宮さん！！』


裏口の扉を閉められる前に手を差し込み無理矢理開ける

ドアノブを離していなかった明宮さんはそのせいでバランスが崩れ倒れてきた


『危なｯ...！』


それを抱きしめる形で受け止める

焦って力ずくでいきすぎた...間に合ったから良かったものの、もし俺のせいで怪我をしていたら...

ホッと息をついて腕の中を覗くと、明宮さんの頭しか見えず、どんな表情をしているのか分からなかった


『無理矢理すみませんでした...怪我とか大丈夫ですか？』

「...」

『...明宮さん？』


どれだけ話しかけても返答がこないので、おかしいなと思い首を傾げていると、急に腕に力をいれて抜け出そうともがき出した


「ご迷惑をおかけしてすみません。私は大丈夫なので離してください」

『ちょ、どうしたんですか！？』

「ｯ...離してください！！」


初めて聞く大きな声に、驚く




一体何があった？

そんなに怒らせる事を言っただろうか？









どうしても顔が見たくなって腕の力を緩め、隙間を開ける









少しだけ見えた明宮さんは、泣いていた

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