４２話 インターン開始 ページ29
＊
週末、今日からインターンの始まりだ。
光弥は朝早くから電車に揺られていた。
彼のインターン先は雄英から電車で1時間。
その1時間の間、彼はイヤホンで音楽を聴きながら、ずーっと窓の外を眺めていた。
そして電車から降り、ある高層ビルの前に来た。
「ここか…」
そう呟いた光弥は、ビルの中に入って行った。
螺旋階段を上り、茶色の扉の前に立つ。
コンコンッとノックし、「失礼します」と言って扉を開けた。
部屋の中には緑髪に黄色のメッシュ、眼鏡を掛けた男性がデスクに座っている。
その男性に向かって、光弥は笑顔を作って言った。
「初めまして。推薦を頂いて来ました。爆豪光弥です。今日からよろしくお願いします」
「私はサー・ナイトアイだ。こちらこそよろしく…と言いたいところだが、少し君を試させてもらう」
「試す…？」
「学校から契約書は持って来ているか？」
「はい」
光弥は肩に掛けているバッグから契約書を取り出し、サー・ナイトアイの前に置いた。
サー・ナイトアイはそれを少し眺めた後、自分の印鑑を取り出し押す。
しかし、印鑑は契約書の右横に押された。
それに光弥は「は？」と目を点にする。
「…あの…外れてますよ？」
「押す気が無いからな」
「え…？でもあなたが推薦したんですよね？」
「ああ。だからこれから貴様を試す。3分。3分の間に私から印鑑を奪い、判を押してみろ」
そう言ってサー・ナイトアイは立ち上がり、光弥の肩に触れ、目線を合わした。
彼からは手を出さないし、どんな攻撃をしても良いし、室内がどうなっても良いらしい。
サー・ナイトアイは光弥から少し距離を取り、「奪ってみろ」と言った。
光弥は口角を上げ、「じゃ、遠慮なく」と言ってサー・ナイトアイに突っ込んだ。
「正面ダッシュ。と思わせてからの右。からの頭上。全て見えている」
「ﾁｯ」
サー・ナイトアイに全ての動きを見破れた光弥は印鑑を取ることが出来ない。
それから1分程、光弥は奮闘するも印鑑は奪えなかった。
「貴様の力はこんなものか？期待外れもいい所だ」
「はは…じゃあ、期待通りにしてあげますよ」
光弥はニヤリと笑い、動き出す。
サー・ナイトアイは彼の動きを予知する。
だが予知したのは、彼が印鑑を持っている姿だった。
"何だこれは…"
「ﾆｼｯ いただき」
＿＿パシッ
・
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ARy - 好き (5月3日 15時) (
レス) @page37 id: 20866609ad (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (2021年12月25日 22時) (レス) @page38 id: 5b941b1f0d (このIDを非表示/違反報告)
あーりん - 私もこの作品にはまって一気読みしちゃいました！文を書くのがとても上手で読んでいてわくわくします！！更新頑張ってくださいd=(^o^)=b (2021年12月23日 18時) (レス) @page37 id: 86690bee99 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ(プロフ) - コメントありがとうございます！これからも頑張ります！ (2021年12月14日 20時) (レス) @page31 id: 5b941b1f0d (このIDを非表示/違反報告)
紫霊 - 一気に読みました!!!とても素敵なお話ですね。これからも頑張ってください(*^^*)光弥くんがヴィラン側に堕ちるのかヒーロー側に留まる(?)のかこれからの展開が楽しみです！！！ (2021年12月11日 18時) (レス) @page30 id: 84d5eb71dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナツ | 作成日時：2021年9月9日 18時
