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貴「…あの、真冬…の事なんですが…」


私が少し視線を落として呟くと、小雪さんの笑顔はたちまち消え、不安と悲しみを抱えた表情へと変わってしまった。

そして左胸に手を当て、深呼吸をしてから私の方を向き直して、「教えて」と言うように頷く。

貴「真冬は、スーパー宇羅津来のお菓子売り場に居ます」

小「…スーパー…?」

小雪さんは目を丸くして口を両手で覆い、驚く素振りを見せる。

貴「はい…。ほっぺにバーコードがついてて、真冬の姿を見られるのは私だけ。私の友人は声だけが聞こえるみたいです。他の人には声すら聞こえてないみたいです」

小「…」


驚きで表情が固まってしまい、言葉すら出ない様子の小雪さん。…まあ、いきなりこんな事言われても、ね。


貴「…大丈夫ですよ、安心してください。私が、必ず真冬を元に戻してみせますから。心配しないでください」

私がそう言って背中を軽くさすると、小雪さんは右目からポツリと涙を流し、次に左、次に右と、どんどん涙を流した。しゃがみこんで泣き崩れる。

…今も、今までも、ずっと辛かったのだろう。
小雪さんの手首のリストバンドが少しずれて、そこから傷が見えた。

……自分の事を責めて、傷をつけてきてしまったのかな。


私まで涙が出そうになった。


小「ぐす、な、泣いてしまってすみません…!」

貴「大丈夫ですよ。泣きたい時は泣くべきですから。」

小「お優しいんですね…ふふ」


さすが。真冬のお母様だなあ…。
小雪さんの笑顔と真冬の笑顔が頭の中で重なる。


…うん。瓜二つ。


それと同時に真冬を早く助けなきゃ、という気持ちも改めて走った。

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雛紗(プロフ) - 間に合っ…てないですねすみません、 (2020年2月29日 0時) (レス) id: db311f7197 (このIDを非表示/違反報告)
雛紗(プロフ) - 朔夜さん» ひょわああありがとうございます!!!! (2020年2月13日 23時) (レス) id: db311f7197 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - おかえりなさい!ずっと待ってました!これからも楽しみにしています! (2020年2月13日 22時) (レス) id: e3cb926ca0 (このIDを非表示/違反報告)
雛紗(プロフ) - Aliceさん» なんか天使が来たわ (2018年10月9日 22時) (レス) id: db311f7197 (このIDを非表示/違反報告)
雛紗(プロフ) - *Momijiさん» ネット上ではね…笑 リアルの世界ではもうなんか要らんものみたいに扱われて辛いでござる…(コメ欄言うことじゃない←)なのでネットが生き甲斐なのでござる)^o^( (2018年9月11日 11時) (レス) id: db311f7197 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雛紗 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年7月19日 23時

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