バーコード ページ27
貴「黒くて大きい家…黒くて大きい家…」
一人ぶつぶつ呟きながら、それらしき家を探す。
黒い家はちらほら見えるけど大きくはなくて、大きい家もちらほら見えるけど黒くはなくて。
“黒くて大きい家”に当てはまる家はなかなか見当たらない。
私は立ち止まって手で鼻の下の汗を軽く拭い、ため息をつく。
真冬自身が詳しい住所を知ってるのなら、家の特徴を聞いた時に言う筈だから、真冬自身は自分の家の詳しい住所を、知らないんだと思う。
それか、長い間スーパーにいて、忘れてしまったのかもしれない。
どちらにせよ、手がかりが“黒くて大きい家”しかないことに変わりない。
…頑張って探さないと。
私は一人で大きく頷き、再び家を探し始める。
強い太陽の光が街全体を焼き付けるように降り注ぐ。
その暑さをかき消すように近くの海からの潮風が吹く。
そのバランスの良さに心地良さを感じながら、必死に家を探す。
「…ぐすっ…うぅ…」
波の音、蝉の声に紛れてどこからか女性の泣き声が聞こえてきた。
…真冬の家を探すことに集中したいけど、ちょっと気になるな。
私は声のする方に足を進めてみた。
泣き声を頼りに足を進めて行くと、家のドアにもたれかかり、泣いている女性が一人いた。
その女性は白かった。
いや、表現がおかしいかもしれないけど、本当に白い。
髪も白、肌も白、服も白、靴も白、手首のリストバンドも白。
色白で白雪姫みたい…。
私が御伽噺の王子様か何かだったら姫として城に連れて帰るんだろうな。
更に眩しい太陽の光がその女性を照らし、その光が女性を縁取っているように見えた。
貴「あの、大丈夫ですか？」
私がそう声をかけると、肩を震わせながらその女性は顔を上げる。
りんごみたいに赤い瞳。
顔立ちが凄く真冬に似ている。
…あれ？もしかして。
私は女性がもたれかかっている家の表札を見ると、“相川”の文字。
その家は黒くて大きかった。
…タイムリー。
「あっあっあ…」
女性はカオ●シみたいに声をこぼしながら口をパクパクさせる。
貴「あ、迷惑だったらすみません。」
私がそう言うと、女性は首を振る。
「い、いえ。大丈夫です…」
涙を拭いながらそう言う女性。
…それより
貴「あ、あのもしかして…相川真冬…くんの、お母さんですか？」
私が唐突にそう聞くと、女性は目を見開いた。
・
風邪なうです((
お気に入り減ってて悲しいです(自業自得)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 665人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雛紗(プロフ) - 間に合っ…てないですねすみません、 (2020年2月29日 0時) (
レス) id: db311f7197 (このIDを非表示/違反報告)
雛紗(プロフ) - 朔夜さん» ひょわああありがとうございます！！！！ (2020年2月13日 23時) (レス) id: db311f7197 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - おかえりなさい！ずっと待ってました！これからも楽しみにしています！ (2020年2月13日 22時) (レス) id: e3cb926ca0 (このIDを非表示/違反報告)
雛紗(プロフ) - Aliceさん» なんか天使が来たわ (2018年10月9日 22時) (レス) id: db311f7197 (このIDを非表示/違反報告)
雛紗(プロフ) - *Momijiさん» ネット上ではね…笑 リアルの世界ではもうなんか要らんものみたいに扱われて辛いでござる…（コメ欄言うことじゃない←）なのでネットが生き甲斐なのでござる)^o^( (2018年9月11日 11時) (レス) id: db311f7197 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
