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『ん……。』


見慣れた、白い天井。
ここは。


「あれ?おきたん?」
と少し高い男性の声。


私は、この人を知っている。


『しんぺい先生……。』


シャッとカーテンをあけられ、しんぺい神の顔が見える。


「Aちゃん。最近は元気だったけど今日は風邪かな?」


『そうみたいですね。今何時間目ですか?』


シャオロンはいない。

それならば、3、4時限目というところだろう。

しんぺい神が、時計を見る。


「4時限目が今ちょうど終わろうとしてる頃かな?」
しんぺい神が、そう言った瞬間。


チャイムがなる。


廊下を走る音。


騒ぎ出す廊下。



静かだった、その空間に色がついたよう。


『そうですか。ありがとうございました。』
そう言い、立とうとする。


「A!」
彼だ。


走ってきたのだろう、息が少し上がっていて、髪や服が乱れている。


『シャオロン?』


どうして、そんなに心配そうな顔で見るのだろう。


「A、大丈夫か?」


ただの風邪なのに、私が死んでしまう様な心配のしようね。


『ええ。大丈夫よ。ただの風邪。それより…』
早く教室に行きましょ。お弁当まだなんでしょ?


言いたい言葉が出し終わる前に、彼は私のおでこに手を当てる。


「熱は無いみたいやけど?風邪って大丈夫なんか?辛いんやったら家帰るか?」


そんなまた、心配性な……

『大丈夫よ。それより、お弁当まだなんでしょ?』


「お?おう。せやった、カバンからお弁当出していいんか聞きに来たんやった。」


ほんまに大丈夫なんけぇ?
とブツブツいいながら、保健室を出る。

私は、しんぺい神にお辞儀をしてから、扉を閉めた。

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作品ジャンル:恋愛
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作者名:どんこ | 作成日時:2020年12月4日 15時

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