お兄ちゃんは俺足でした！

・ 藤ヶ谷said ページ34

夜中。Aの声で目が覚めた。


私「お…姉ちゃん……おか…あさん……ぉと…うさん」




藤「……A？」


Aの頬には、涙の通った跡があった。



私「キスマイのみんな……居ない……」


……家族の夢か。



Aの表情を見る限り、いい夢では無い。




私「……わたしを…必要……としてないよ……」




はやく目が覚めればいいのにと、ずっと願った。


でも、無理やり起こしてしまうのもかわいそうな気がした。




私「さい……あくだよ。」



……どんな夢見てんだよ。


俺に教えてくれよ……




Aの代わりになってりたいよ。Aの昔の記憶を消してやりたいよ。




私「ﾊｧｯ…ハアッ…ｾﾞｪｯ…」


藤「Aっ！」


半目のAは苦しい目をしていた。


俺に訴えかける目を。


藤「大丈夫か…??」


私「お姉ちゃんと、お母さん……」

悲しかったよな。辛かったよな。


藤「居ないよ。大丈夫。」


そう言って俺は、Aをゆっくり抱きしめた。


Aは微かながらに震えているのが分かった。


背中を優しく叩きながら、Aにゆっくり話した。


藤「さっきの夢、お姉ちゃんと、お母さんが関係してるんでしょ??……俺たちは、絶対にAに辛い思いさせないから。」


するとAは、小さく頷いて

私「うん……っ。」と言った。


藤「怖かった…だろ？」

すると答えはすぐに帰ってきたんだ。


私「怖かった…。」


そうだよな。

俺は、それ以上聞かずに、ゆっくり優しく背中をポンポンと叩いた。








私「……ｽｩ…ﾊｧ……」


いつの間にか、Aからは寝息が聞こえたんだ。




……絶対に、Aを幸せにしてやるからな。








俺はまた、Aをぎゅっと抱きしめた。

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