お兄ちゃんは俺足でした！

悪夢 ページ33

今日も無事に終わり、お風呂にも入り、就寝。



ゲームをやらせてもらって、結構疲れた。


藤「おやすみ。」

私「おやすみ！」

甘い匂いのする太兄の部屋で、今日は寝た。



(夢の中)


姉「ねぇ、A。」

お姉ちゃん…

お母さん…

お父さん…


……キスマイのみんなが居ない。




辺りを見渡して見えるのは、お姉ちゃんと、お母さん。


どこを探しても、みんなの姿は無かった。



そっか…もう楽しい日々は終わりなのかな……



母「何やってんの！はやく部屋に行きなさい！」

私「はいっ……」

姉「汚れてる足で通られるとリビングが汚れるわ。もうあの泥沼部屋で一生過ごせばいいんじゃない？」


お姉ちゃんは、いつもそう。私を完全に避けている。



母「ほら、はやく行って！晩ご飯はなんか、てきとーに部屋の前にでも置いておくから。」

お母さんは、私が嫌い。頭が良くないから。才能が無いから。小さい頃から、必要としてなかったから。




強制的にリビングからつまみ出されてこの始末。





……ｻｲｱｸ｡


またこんな生活に戻るの…？



やだっ…助けて……

届くはずのない思いを、ずっと訴えている毎日に、戻るの？？

光が差し込んだのに…


私の一度塞いだキズは、また開いてしまった。









私「ﾊｧｯ…ハアッ…ｾﾞｪｯ…」


夢か……

藤「Aっ！」


目の前にはぼんやりと太兄の姿が。


藤「大丈夫か…??」


私「お姉ちゃんと、お母さん……」


藤「居ないよ。大丈夫。」

そう言って、太兄に抱き寄せられた。





洋服からは、部屋と似たような甘い香りがした。




藤「さっきの夢、お姉ちゃんと、お母さんが関係してるんでしょ??」


背中をポンポンとされてながら、私にずっと語りかけてくれた。




藤「……俺たちは、絶対にAに辛い思いさせないから。」


私「うん……っ。」


藤「怖かった…だろ？」


すっごく怖かった。


あの生活に戻るとって考えるだけでも、鳥肌が立つくらい。



私「怖かった…。」



もうそれ以上は聞かずに、ただずっと私のことを抱きしめてポンポンと背中を叩いてくれていた。




……ただ、暖かかった。


ひたすらに暖かかった。






私は暖まったカラダが眠気を誘い、太兄の胸の中で深い眠りについた。

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