お兄ちゃんは俺足でした！

撮影 ページ20

撮影をするので、私は椅子に座ってお菓子を食べながら待機してます。

あっ、これ美味しい!!

ﾊﾟｼｬﾊﾟｼｬｯ…

カメラマン「いいねいいねー！」


みんなの顔は、集中して家とは違うような表情だった。


たまに手を振ってくれたり、あとちょっとだからと口パクで伝えてくれたり。


西条家では、パーティーには出させてもらえなかったし、お母さんとお姉ちゃんとお父さんで、お出かけしたりして。


晩御飯を作ってくれなかった時もあった。

お腹空きすぎて、独りで夜中、冷蔵庫の中見てたら召使いさんにビンタされたこともあったっけ……


独りぼっちだった。『大好き』とか、『大丈夫？』とか。言ってもらえるのは夢のまた夢。


こんなに心配してくれることなんて無かったし……



もう〜。思い出したくもないし。

と飴玉を一つ口のなかに運んだ。

スタッフ「少し休憩入りマース！」


するとみんなは一斉にこっちに来た。


千「楽屋戻って休むぞー！」
私「おっ、おー！」

楽屋に戻ってみんなは完全にＯＦＦモード。


ゲームしてたり喋ってたりしたら、スタッフさんがものすごい勢いで扉を開けた。

『ﾊﾞﾝｯ!!』

みんなビクッと反応し、一気に静かになる。


スタッフ「今日、モデルの方が体調不良になってしまったらしくて……ｾﾞｪｯ……」

玉「今日はその人は来ないんですか？？」

スタッフ「はいっ……」

北「てことは今日はもう家に帰れますか？」←家に帰って早く寝たいからゴリ押しw

スタッフ「いや……あのそれがですね……」

藤「……？」



スタッフ「カメラマンの人が、お菓子食べてた小さな女の子を、モデルとして使いなよ。っておっしゃってて……」

玉「……Aがですか？」


スタッフ「顔は映さないので。よろしくお願いします。それじゃ。」

『ｶﾞﾁｬｯ』


……


全「えぇぇえええええ？！？！？！」

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