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男の顔をチラチラと確認しながら、もう昔の見慣れた帰り道を通っていた。



男「宏光くんさ、」


北「っ、な、に?…」


男「何してたの?今まで」


北「…学校…行ってた…」


男「へぇ…どうして?」


北「…ゃ、」


男「ん?」


北「親に見つかってさ…」


自分の身を守るための必死の嘘だった。

1番の安全策を取ったのだ。


男「じゃあ、今日1人であんなところ歩いてたのはどうして?」


北「…っっ、」


「家出したから」
の言葉が出ない。

家出したから、なんて言えば、男と会いたかった、と捉えられてしまうかもしれないと思ったから。


無言が続く中、男がじゃあさ、と口を開いた。



男「宏光くん、藤ヶ谷くんはご存知?」



北「っっ!」


今、なんて…?

藤ヶ谷、、?


男「知っててあたりまえか。」


男「藤ヶ谷、太輔?だっけな。

そりゃあ知ってるよね。

恋人だもんね。」


北「なんでそのこと…」

どくどくと鼓動が早まる。


男「俺ね、随分前から宏光くんのことつけてたんだよ。」


言葉も出なくて、頭が真っ白になった。


男「親に見つかった、なんて嘘つかないでよ。

藤ヶ谷くんと過ごしてたんでしょ?」

男が覗き込むように俺の顔を確認する。



山下先生の言葉がふと甦った。

『大人ってね、怖いんだよ』

その通りだ、子供の俺には予測できなかった。




男「ふふ、話を戻すね。
ある日、宏光くんのあとを付けてたら、玉森くんっていう子に会ってね。

玉森くんが勘がいいのか

『宏光くんに何か用ですか』って聞いてきたの。」


男「目で分かった。
俺と同じ子だって。

宏光くんじゃない、誰かに狂ってる恋をしているって。

だから正直に全部話して、情報全部貰った。」


危ない、やばい、そんな気がした。


勢いよく後ろを振り返り、走り出そうとした。


その瞬間、腕をがっしりと掴まれた。


男「逃がさないよ…」

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なこ - こんにちは。この小説を読んだものです。藤ヶ谷くんと北山くんに没頭してしまいました。玉森くんと二階堂くんの三角関係がどうなるのか楽しみです!作者の人物構成がとても面白いですね〜!楽しみに待ってます!応援してます。 (2022年3月13日 10時) (レス) @page38 id: 794528905b (このIDを非表示/違反報告)
藤北ラブ(プロフ) - 続きが読みたいです! (2021年8月24日 0時) (レス) id: 2f93b320f2 (このIDを非表示/違反報告)
藤北ラブ(プロフ) - 続きが見たいです! (2019年11月17日 1時) (レス) id: 2f93b320f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:玉森海叶 | 作成日時:2019年1月5日 18時

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