生意気な君と３３日目 ページ33
離そうとした手を優しい力で引かれて、思わず動きが止まる。
静かな部屋の中で響いて耳に届いた言葉は確かに『すき』だった。
「先輩…？」
「ち、がっ…今の、は…！」
掠れた声で否定する彼女。
必死で、今の言葉をなくそうとする。
でも先輩が言ったあの言葉は、先輩の声で自分の耳にこびりついて消えようとはしなかった。
「違うなんて、言わんといて」
先輩の手をもう一度握る。
熱のせいでいい。
だから今だけでも、先輩の好きを俺にちょうだい。
今の好きを、消さないで。
先輩の熱い身体を起こして抱きしめる。
この熱も、荒い吐息も、甘い声も、全部全部愛しい。離したくない。
好き、好きやで。全部好き。大好き。誰よりも愛してる。
頭が先輩でいっぱいになる。
愛の言葉でいっぱいになる。
溢れて溢れて、もう止まらなかった。
「先輩、好き」
やっと先輩に届けられた言葉だった。
「後輩なんて、弟なんて、嫌や。Aの特別になってずっと隣にいたい」
やっとAに伝えられた気持ちだった。
また、彼女の綺麗な翡翠色の瞳が揺れた。
宝石のようにぽろ、と1粒、また1粒と涙が零れ落ちた。
彼女の涙を見るのは何回目だろうか。もう泣かないで。
彼女の涙を拭おうとすると、その手を掴まれる。
力ない手で掴まれているはずなのに、涙を拭うことはできなかった。
「嬉し涙、だから…流させて…？」
そう言って微笑む彼女は今までで一番綺麗な顔で、心臓が高鳴る。
「本当は、違くないの」
「私も、好きだよ」
「お姉ちゃんなのに、先輩なのに」
「好きになって＿＿＿＿＿っ！」
そのあとは、いらないやろ
桃色の柔い唇に自分の唇を押し付けた
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芽樹。(プロフ) - 「かぎかっこ」さん» ありがとうございます。｢かぎかっこ｣さんのコメントが嬉しくてこちらまでにこにこしてしまいます。こちらこそいつも癒しをありがとうございます。ゆっくりではありますが、お待ちいただけたら幸いです。 (2019年9月20日 1時) (
レス) id: 4dfb0739ae (このIDを非表示/違反報告)
「かぎかっこ」(プロフ) - 完結おめでとうございます。お疲れ様でした！最初から最後まで2人が可愛くてずっとニコニコしながら読ませて頂きました。癒しをありがとうございます！次作も楽しみに待っておりますので、芽樹。さんのペースで頑張って下さい。応援しております。 (2019年9月19日 15時) (レス) id: af5934532f (このIDを非表示/違反報告)
芽樹。(プロフ) - まうるさん» コメントありがとうございます。ciくん沼へいらっしゃいませ！これからもciくんの魅力を伝えられるように頑張ります！ (2019年8月29日 7時) (レス) id: 4dfb0739ae (このIDを非表示/違反報告)
まうる - ciくん沼にハマってしまいましたわ.....ありがとうございます (2019年8月29日 2時) (レス) id: a48c43d4d7 (このIDを非表示/違反報告)
芽樹。(プロフ) - ソルティングさん» いえいえそんな！改めてリクエストありがとうございました。励みの言葉とても嬉しいです…！頑張ります！ (2019年7月15日 5時) (レス) id: 4dfb0739ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芽樹。 | 作成日時：2019年6月10日 20時
