家族ごっこ (ページ16)

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Ⅲ ページ16

翔side

～数日後～

今は18時前。

櫻井家の門限は17時。

俺の門限も当然17時だ。

どれだけ仕事が残っていても、仕事を持って家に帰る。

今日も急いで帰ってきた。

なのに、和がいない。

流石の俺でも、今日は怒るよ～

ｶﾞﾁｬ

和「ただいま」

翔「おかえり。」

帰ってきた

翔「和。今何時？」

和「ろくじ、」

翔「そう。分かってるじゃん。」

和「ごめん…なさい」

翔「こんな時間まで誰となにしてたの？」

最近寒くなってきて、日が落ちるのも早くなってきている

今も外は薄暗い

和「…野球。まさきとチームのみんなと」

やっぱり。なんとなく分かってた

翔「家に帰ってくるの忘れるくらいたのしかった？」

和「…ｺｸｯ」

正直だな。

翔「…どこ守ったんだ？」

顔を少し緩めて聞くと

和「おれね、セカンド守ってんだけどねもうちょっと大きくなったらまさきとバッテリー組んで、おれがピッチャーする約束した！
前はまさきがね

翔「わかった、わかった、その話は後で聞くわ。
はい。俺になんか言うことない？」

和「遅くなってごめんなさい」

翔「次は？」

和「遅くならないように時間を見て遊びます」

翔「よろしい！守れよ？？」

和「はい！」

翔「それで？？俺にお願いしたいことは？」

和「おれ、野球したい。です。」

翔「よく言えました。やってもいいけど、やるなら一番とれよ？？」

和「え？？いいの？？」

翔「うん、頑張れよ！」

和「うん！がんばる！ありがと翔ちゃん！」

さっきまで少し遠くで正座して小さくなってたのに、飛び上がっておれに抱きついてきた

まって、かわいい。

どうしよ、口角上がりっぱなしだよ

ちょっと、手助けしちゃったけど、ちゃんと和の口から聞けた

これは明日、潤に報告だな。

何かをしたい。なにがいい。

ってたくさんわがままを言って欲しい

和の心の中を少しでも分かりたい。

少しずつでいい、距離を縮めて、

ちゃんと、和の家族でいたい。

血の繋がりなんて、心が繋がっていればなにも関係ないから。