第4話 ページ5
「それでのー、高森先生」
『、はい…』
私は恐る恐るタコ足のようなものに爪楊枝を指しながら答える。
「先生には副担任をしてもらいたいのじゃ」
『副担任ですか?ぜんぜん構いませんけど』
とても言いにくそうに言うので何かと思えばそんなことか。
副担任とは担任よりもこういっちゃ失礼だが楽だ。
昨年は高3の担任をしていたことだし、気はとても楽である。
「んーーーー、普通の副担任と考えない方がいいぞよ」
『なんでですか?』
「なんせ、担任のアイツは担任のアイツは仕事をしないからの、高森先生があの問題児クラスを、何とかしてほしいのじゃ」
『…担任が仕事しない?問題児クラス?』
担任が仕事をしないとはなんだ、なんでそんな奴が担任?
問題児クラス、とオンナ教師ということはゴクセンてきな?それはやばい。
嫌だなー面倒だなーー、、、
しかし着たばかりの学校、信頼を得るためにもここでお断りするのはイメージに響く。
「それでもやってくれるかの」
『ぜひ!』
笑顔笑顔
これ大事だからね。
「じゃあさっそく担任の先生を紹介しておこう」
ハタ校長がそう言うと教頭先生がデスクの上にあった電話の受話器を手に取る。
「あー、もしもし。坂田先生?昨日説明した人が来てるんで今すぐ校長室来てください。あ、めんどくさい?いーから今すぐ1分以内にこい!!!」
給料引くぞ!と怒鳴って教頭先生は電話を切った。
「すいませんねー、あのセンセイはこれくらい言わないと来ないんすよ」
緑の触角を揺らしながら教頭先生はボヤく。
なんというかその、怖かった。
ん、それよりも、『坂田』先生?
坂田…か。
その名前は忘れることのないものである。
私の高校生活を語る上で重要な人物。
『いやまさか、こんなところで再会するわけない』
「ん、何か言ったかの?」
『あ、いや何にもないです』
どうしよう。
もしも、本当に坂田銀八だとしたら。
冷や汗が止まらない。
紛らわすためにタコ足のようなグロテスクなお菓子を口に運べば、結構美味しかった。
コンコンとノックする音がなり、こちらの応答も待たずに重厚なドアが空いた。
『……まじか』
「どうもーー、坂田銀八です」
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作者名:ぽへ | 作成日時:2017年5月6日 13時